研究課題/領域番号 |
09306013
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
隆島 史夫 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60041703)
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研究分担者 |
ストルスマン C.A. 東京水産大学, 水産学部, 助手 (10231052)
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
廣野 育生 東京水産大学, 水産学部, 助手 (00270926)
青木 宙 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00051805)
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キーワード | ニジマス / アクチビン / インヒビン / cDNA |
研究概要 |
RT-PCR法によりニジマスにおけるアクチビン遺伝子の転写組織を調べた結果、肝臓、腎臓、脳、腸、脾臓、胆嚢、心臓、筋肉、卵巣、精巣および血液で認められた。次いで、β_A鎖およびβ_B鎖について、それぞれを特異的に検出できるプライマーを用いて解析したところ、β_A鎖の発現が認められたのは心臓だけであった。またβ_B鎖の発現が認められたのは肝臓、腎臓、脳、脾臓、胆嚢、筋肉、卵巣、血液であり、特に卵巣と脳では強いシグナルが認められた。このように、アクチビンは種々の臓器・細胞で発現しており、アクチビンの多機能性が示唆された。 ニジマス卵巣におけるアクチビン発現量の時期的な変化を解析するために、毎月ニジマスの卵巣を採取しmRNAを抽出精製した。このmRNAを用いてノーザンブロットハイブリダイゼーション解析を行ったところ、4月における発現量が最も多かった。このことは、卵巣の成熟にアクチビンが関与していることを示唆した。 アクチビンが卵胞刺激ホルモンFSHの分泌を促すタンパク質であるのとは反対にFSHの分泌を抑制するタンパク質のインヒビンがあるが、魚類においては全く解析されていない。インヒビンの構造及び機能を明らかにすることは魚類の成熟機構を解明する上で重要である。本研究において、魚類では初めて、ニジマスよりインヒビン遺伝子のクローン化に成功した。魚類のインヒビンは、哺乳類のものと比較した場合、部分的に相同な領域が存在した。
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