研究課題/領域番号 |
09306015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
豊田 隆 筑波大学, 農林学系, 教授 (00142836)
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研究分担者 |
森尾 昭文 筑波大学, 農林学系, 助手 (50292511)
石 敏俊 筑波大学, 農林学系, 講師 (90282318)
本間 哲志 筑波大学, 農林学系, 講師 (60241775)
福田 勇助 筑波大学, 農林学系, 講師 (10199242)
茂野 隆一 筑波大学, 農林学系, 助教授 (60292512)
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キーワード | アジアの食料・農業 / アグリビジネス / フードシステム / 食料貿易・海外投資 / 国際資源開発 / 環境保全型農業 / バイオシステム / 協同組合 |
研究概要 |
本研究は、アジア地域における持続的な食料貿易とその基礎をなす環境保全型農業開発との相互依存関係の解明を目的とし、アグリビジネスの海外直接投資による国際資源開発の視点、及びバイオシステム学的観点に立脚した分析の結果、以下のような新たな知見が得られた。 1.国際フードシステムの多国籍企業:多国籍企業のDunning仮説は、企業の特殊的な所有の優位性とホスト国の立地の優位性とが、市場内部化の優位性へと効率的に組織されることによる国際生産の要因を解明したが、本研究では国際フードシステムの分析にこのDunning仮説を適用し、アジア地域における開発輸入型フードシステムの特性、日本の食品製造業における海外直接投資の説明要因、環境関連バイオ技術における国際移転の論理等を明らかにした。 2.タイのエビ産業における持続性:タイのエビ産業においては、日本のアグリビジネス企業の特殊的な所有の優位性にもとづく研究開発能力、経営管理ノウハウなどの無形資産をパッケージとして国際移転したことが開発の推進力として機能したことを分析し、あわせてエビ養殖業者の協同組合が、地域基盤組織として環境教育の充実、沿海部マングローブ林の再植林・保全等のポジティブな役割を果たしたことを解明した。 3.中国における生態系農業の開発:中国における環境保全をベースとした生態系農業の開発を、バイオテクノロジー等の先端技術と中国固有の伝統技術とを融合した総合的生産性の観点から、食料供給の必要エネルギー、砂漠化防止のための土地利用適正化等の問題を解明した。 4.アジアの協同組合の機能等:日本のアジアの協同組合について、農協合併、農作物共済制度、信用保証システムなどの諸機能を解明した。また、フィリピンの内水面養殖エコシステムに関する生物経済学的な手法による解明を行った。 あわせて、米国のコ-ネル大学、中国の北京農業大学・農村経済研究センター、タイのカセサート大学との研究交流、研究レビュー、外国人研究者の招聘等を活発に行い、初年度における研究ポテンシャルを活性化させた。
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