研究課題/領域番号 |
09306015
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
豊田 隆 東京農工大学, 農学研究科, 教授 (00142836)
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研究分担者 |
矢口 克也 (矢口 芳生) 東京農工大学, 農学研究科, 助教授 (70302908)
竹内 郁雄 東京農工大学, 農学研究科, 助教授 (90313288)
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キーワード | アグリビジネスの国際開発 / 農産物貿易と多国籍企業 / 資本・国家・市場の相互関係 / 環境保全型の開発政策 / 日系企業の技術・知識移転 / アジア・モデルの開発輸入型 / マングローブ林保全基金 / 水質保全と生態系農業 |
研究概要 |
本年度は、最終年度の成果公刊のため、科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を受け、『アグリビジネスの国際開発-農産物貿易と多国籍企業-』(農文協、2001年1月、285頁)を刊行した。 (1)世界の農産物貿易と多国籍企業の新たな展開に焦点を据えて解明し、アグリビジネスによる開発途上国への海外直接投資が、開発途上国におけるいかなる国際開発をもたらしているのかを解明した。 (2)とくに多国籍企業論のOLI理論を検討し、資本・国家・市場の3者の相互関係の観点から、南米型開発と比較して、アジア型開発モデルの開発輸入型の独自性を解明した。 (3)アジア・モデルの開発は、資源の収奪を回避するための、環境保全型の開発政策が重要である。タイの日系企業は、合弁事業によって、技術や商標、経営管理能力等の知的無形資産を移転し、賦存資源の有効利用と製品安全性、汚染排水管理の達成に貢献した。 (4)また、エビ養殖産業における地域基盤の協同組合は、水・森林等の環境資源を修復し保全しており、マングローブ林保全基金の創設などの地域開発政策が求められている。 (5)さらに、中国への日本の食品産業の投資構造、とくに冷凍野菜加工業における原材料調達における市場成熟の必要性を解明し、及び江蘇省における湖水・水質保全のための、持続可能な生態系農業の展開論理を示し、日本の国際協力の課題を明らかにした。 (6)東アジアにおける食料安全保障にとって、環境保全型の持続的開発政策とそのための日本の国際協力が重要であることを結論づけている。
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