研究分担者 |
杉山 修一 弘前大学, 農学部, 助教授 (00154500)
堀 良通 茨城大学, 理学部, 助教授 (30125801)
塩見 正衛 茨城大学, 理学部, 教授 (80250976)
澤田 均 静岡大学, 農学部, 教授 (10183831)
平田 昌彦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20156673)
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研究概要 |
本研究の1999年度における研究結果の概要は以下のとおりである: 1.放牧草地の種多様性について検討した。低投入酪農家の放牧草地は通常の酪農家の放牧草地よりも種多様性が高いことに関連して,施肥や刈り取りの効果を実験的に調べると,これらの処理が種多様性の変化に与える影響は軽微であり、種多様性は放牧草地の持続年数の長さに大きく依存していると判断された。「種の多様性」と「群集の分布の不均一性」によって、草地における局所的な植生を特徴のある4つ(以上)の種類に分けられることを明らかにした。 2.イネ科主要草種の種内には、生長速度と乾燥と低温ストレス耐性の間にトーレードオフの関係が存在し,草型に代表される形態的差異がトレードオフに密接に関係していることが分かった。バヒアグラス草地の草冠の動態を分げつを基本単位として表すモデルを作成した。このモデルにより草地管理要因や気象条件が草冠(分げつ密度、草量、草高および葉面積指数)の動態に及ぼす影響を評価できる。 3.数種のイネ科および広葉草本の生活様式を解析した。イネ科草種の種子繁殖について特に開花習性と風媒他殖の面から解析し,順次開花と風媒とが両立する条件を示した。ワラビの葉は高い回転率を有し,光合成能力は他のシダ類と比べて著しく高く,高温や強光下でさえも旺盛に光合成を行っていた。寒冷地の常緑草本では,生育期間が短いために夏の物質生産が重要であり,生育地の光条件に制限されていることを示した。
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