研究課題/領域番号 |
09306019
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 義之 京都大学, 農学研究科, 教授 (10041013)
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研究分担者 |
三宅 武 京都大学, 農学研究科, 助手 (00271015)
谷口 幸雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (10252496)
守屋 和幸 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90159195)
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キーワード | ウシ / 分子遺伝学 / 統計遺伝学 / 脂肪細胞分化 / 発現制御 / 免疫染色 / 主働遺伝子 / Gibbs Sampling法 |
研究概要 |
肉牛の重要な形質である脂肪交雑の形成には筋肉組織内での脂肪細胞分化と脂肪蓄積が重要である。この脂肪蓄積の分子機構を解明するために、分子遺伝学および統計遺伝学の両面からのアブローチを行った。分子遺伝学的アプローチとして、以下の4つの研究を行った。1.脂肪細胞分化の制御に関わる転写因子ウシC/EBPα,β,δに対する抗血清およびアフィニティー精製した抗体を用いて筋肉組織の免疫染色を行い、筋束間にある脂肪および結合組織の細胞でこれらの遺伝子が発現を検出した。2.ウシPPARyおよびPref-1について組換えタンパク質を精製し、これらに対する抗血清を作製した。ウエスタンブロットにより作製した抗血清が抗原を特異的に認識することを確認した。3.ウシPref-1遺伝子の構造とプロモーター領域の塩基配列の解析を行い、この遺伝子が5つのエクソンで構成されること、プロモーターが典型的なTATAboxを持たないことなどを明らかにした。 4.ウシobese遺伝子のプロモーター領域の解析を行い、培養細胞への遺伝子導入実験によこの遺伝子の発現が転写因子C/EBPにより直接誘導されることを明らかにした。 統計遺伝学的アプローチとして、Gibbs samplin9を用いた混合遺伝モデルのベイズ推定に基づき、動物の量的形質に影響を及ぼす主働遺伝子の検出法について検討を行った。シミュレーション研究の結果、主働遺伝子分散の推定値が有意に0と異なるかどうかで、集団内に主働遺伝子が存在していることを明らかにできることを示した。またその方法論を兵庫県黒毛和種肉牛集団の屠肉性形質記録の分析に応用し、脂肪交雑および皮下脂肪といった脂肪に関連する形質で、主導遺伝子の存在が示唆された。
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