研究課題/領域番号 |
09306021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
数坂 昭夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
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研究分担者 |
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | ゴマフアザラシ / クラカケアザラシ / 有機塩素化合物 / 肝P450 / 甲状腺機能 / サイロキシン / サイロニン |
研究概要 |
北海道産ゴマフアザラシおよびクラカケアザラシにおける難分解性有機塩素化合物の残留濃度とそれらの肝P450発現量および甲状腺機能への関係について調査した。1.肝P450発現量:ゴマフアザラシでは、脂皮中のノンオルソ・モノオルソコプラナPCB各同族体残留濃度と肝臓中のエトキシレゾルフィン脱エチル化活性との間に有意な正の相関関係が得られた。さらに、これらコプラナPCB同族体濃度は、抗ラットP4501A抗体によりウエスタンブロット解析で得られたP4501A様タンパク発現量とも有意な正の相関関係を示した。一方、クラカケアザラシでは、同程度のコプラナPCBが検出されたにも関わらず、P4501A様分子種との間に、相関関係は認められなかった。これらの結果より、ゴマフアザラシP4501A様分子種の発現には、コプラナPCBによる誘導が関与していると推察された。さらに、その誘導には種特異的機構が存在することも示唆された。2.甲状腺機能:両アザラシ血液中の総サイロキシン、フリーサイロキシン、総トリヨードサイロニンおよびフリートリヨードサイロニンの量をそれらの年齢とともに測定した。ほとんどの有機塩素系化合物とT3の間に負の相関が見られ、特に、PCB170,PCB180とトータルT3濃度との間に有意な負の相関がみられた。通常、甲状腺ホルモンは加齢によっても減少する事が知られているが、ここで観測されたPCBによる減少はそれを越えており成長や繁殖に深刻な影響のあることが予想された。
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