研究課題/領域番号 |
09306022
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山根 義久 東京農工大学, 農学部, 教授 (50262225)
|
研究分担者 |
町田 登 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20219364)
鈴木 馨 東京農工大学, 農学部, 助手 (90226499)
丸尾 幸嗣 東京農工大学, 農学部, 助教授 (40124276)
富澤 康子 東京女子医科大学, 日本心臓血圧研究所, 助手 (00159047)
野一色 泰晴 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
キーワード | 体外循環 / 人工心肺装置 / 常温下体外循環 / 中心冷却併用体外循環 / ヘパリンコーティング / シリコンコーティング / 生体弁 / 弁置換術 |
研究概要 |
本研究の目的は、動物の高齢化とともに発生が増加傾向にある獲得性心疾患の1つである僧帽弁閉鎖不全症の外科的根治術を確立することにある。本疾患は加齢とともに発生が増加し、かつ病態も重度になり、内科的療法では自ずと限界がある。近年、そのような背景のもと高度医療を含めての、より良い治療法の開発が要求されるようになってきた。その中での外科的根治術、特に弁置換術はニーズの高い根治療法である。それらの状況を考慮し、本研究では新しい抗血栓性の耐久性ある異種生体弁を開発すると同時に、的確な弁置換術の術式を検討し、長期生存可能な弁置換術を確立するものである。 生体弁の開発に際しては、入手が容易な新鮮な豚の大動脈弁を採取し、トリミング後、デナコール処理及びヘパリン・プロタミン処理を施し、無菌的にステントを装着し、何回かの試行錯誤の結果、先ず抗血栓性ある異種生体弁の作成に成功した。引き続き、より耐久性ある生体弁の開発を目的にデナコール処理方法を変更し、最終的に長期間にわたり、耐久性ある生体弁の作成が可能となった。その生体弁を用いての弁置換後の実験犬の経過観察では、超音波検査でも逆流は認められず、かつ長期耐用可能にまで進展した。 弁置換術の術式の確立においても、これまでの当研究室での人工心肺を用いての体外循環法を応用し、安全かつ確実に弁置換術が可能となった。具体的には一般的な胸骨正中切開アプローチではなく、左側胸壁切開よりのアプローチにより、脱血カテーテルは右心耳よりと、右心室より行い無理なく術野を大きくとることにより正確な弁置換術の確立をみた。また、抗血栓性の生体弁のため術後の抗凝固薬の使用も不必要となった。今後は、小型犬に適合サイズの同種生体弁の開発も考慮する予定である。
|