研究課題/領域番号 |
09306024
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村上 和雄 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70110517)
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研究分担者 |
堀口 尚 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (30238795)
粕谷 善俊 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70221877)
杉山 文博 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90226481)
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (60199172)
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キーワード | レニン / アンジオテンシノーゲン / 妊娠 / 高血圧 / トランスジェニックマウス / 受容体 / アンジオテンシンII / 臓器傷害 |
研究概要 |
“妊娠中毒症"は、妊娠負荷に対する母体の適応不全症候群として捉えられているが、その発症の成因は依然不明である。それは、発症の分子メカニズムが把握されていないだけでなく、本症候群を総括的または側面的に理解するための遺伝的背景が明確なモデル動物が存在しないのが一因である。そこで本研究の目的は、申請者らが創作した妊娠高血圧を発症する新しいモデル動物を用い、短期間に発症する妊娠高血圧と臓器傷害の発生の分子メカニズムを明らかにするため、以下の3点に焦点を絞ることとした。 (1)妊娠高血圧発症におけるAII受容体シグナル伝達系の役割の解明:AII受容体を介するシグナル伝達系の病態発生への関連性を、AT1aやAT2遺伝子欠損マウスを用い発生工学的に解析する。: 現在、AT1a欠損マウスのホモ接合体とヒトレニン遺伝子またはヒトアンジオテンシノーゲン遺伝子導入マウスとを交配させて、AT1aヘテロ欠損/ヒトレニンまたはヒトアンジオテンシン-ゲン遺伝子へテロ導入マウスを作製中である。今後、これらにヒトレニン遺伝子またはヒトアンジオテンシノーゲン遺伝子導入マウスとを交配させていく予定である。 (2)妊娠高血圧の発症時における臓器傷害発生の解明:妊娠中の短期間に発生する心肥大を含む臓器疾患の情報伝達系に関連する分子を同定・解析する。: 細胞内ドメインのC-末端領域を用い1×10^8のスクリーニングをした結果、候補遺伝子をクローン化することができた。現在、クローニングした遺伝子の全長の塩基配列を決定中である。今後、生化学的な結合活性を検討する予定である。 (3)妊娠高血圧マウスの病態発生の解析:妊娠のどの時期から、心肥大やタンパク尿を含む腎臓疾患が発生するかを病理学・生理学的に明らかにする。: (1)のマウスの作製が完了後、病態発生の時期を明らかにする予定である。
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