研究課題/領域番号 |
09306024
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村上 和雄 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70110517)
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研究分担者 |
堀口 尚 筑波大学, 茨城県立医療大学・保健医療学部, 助手 (30238795)
粕谷 善俊 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70221877)
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (60199172)
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キーワード | 動脈硬化症 / コレステロール / 脂肪 / アンギオテンシンII / 受容体 / レニン / 高血圧 |
研究概要 |
(1) 動脈硬化モデルとしての高血圧マウス ヒト・レニンとヒト・アンギオテンシノーゲンの両遺伝子を有する「つくば高血圧マウス」を高脂肪、高コレステロール食で3週間飼育したところ、肺に通じる大動脈の基低部に顕著なLesionの沈着を認めた。この量はコントロール・マウスの5〜6倍に達した。したがって、つくば高血圧マウスは食餌組成を変えて飼育することにより、高血圧あるいはレニン・アンギオテンシン系の活性化による動脈硬化症の新しいモデルが誕生したことになった。 (2) アンギオテンシンII受容体(AT1a)の機能解析 アンギオテンシン情報伝達系の解析のための有用なツールとして、受容体のN末端にヘマグルテイニンを組み込んだマウスAT1aを作製し、ヒト胎児腎臓由来の293-T細胞に安定に導入した。Bindingアッセイの結果、この細胞株に発現しているAT1受容体は、以前に報告されている内在性および外来性のAT1受容体と同等の結合親和性と細胞表面の結合サイト数を保持していることが明らかとなった。そこで、生化学的にこの受容体の機能を検討した。まず、細胞内カルシウムの流入を測定したところ、このAT1受容体はリガンド刺激による濃度依存的な細胞内カルシュウム流入が観察された。また、リガンド刺激によって誘導されるkinase(ErK)の活性化も、リガンド濃度依存的に観察され、このAT1受容体は正常な細胞内情報伝達能を保持していることが判明した。さらに、ヘマグルテイニンタグに対する抗体を用いた検討により、Immunoblot、および免疫沈降法にも利用できうる抗体との特異的結合能を獲得していることが示された。この知見を妊娠高血圧マウスの研究に応用する予定である。
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