研究課題/領域番号 |
09307001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野間 昭典 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00132738)
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研究分担者 |
松岡 達 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00263096)
品川 泰子 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40093249)
光家 保 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40174065)
鷹野 誠 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30236252)
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キーワード | 心ペースメーカー / 持続性内向電流 / パッチクランプ |
研究概要 |
心臓の自動能について、そのペースメーカである洞房結節から自発興奮性を示す細胞を単離して、そのイオンチャネルを研究した。特に、我々が最近ウサギ心で発見した持続性内向き電流がラット心臓にも発現しているか、また、この電流の単一チャネル電流を特定する研究を行った結果、次のような点を明らかにすることができた。ラット心を従来のランゲンドルフ灌流しても洞房結節から細胞を単離する事ができないが、右心房内を直接灌流する新しい方法で、ペースメーカ細胞を単離する事ができた。安定した活動を示す細胞の膜電位固定実験で、持続性内向き電流を記録することができた。この電流の活性化の範囲はやはり-65〜30mV付近で、拡張期緩徐脱分極の電位範囲と一致した。CaでなくNaイオン依存性、電流密度(0〜1pA/pF)、Ca拮抗剤感受性など、その性質はウサギにおけるものと一致した。また、ラットのペースメーカ細胞で、ウサギと異なり、過分極で活性化される陽イオン電流は-100mVより過分極で初めて活性化されること、内向き整流Kチャネルが僅かではあるが全ての細胞に発現していることを発見した。単一チャネル電流記録はモルモットの単離洞房結節細胞から記録したが、Naイオンによって運ばれ、-70mVより脱分極側で活性化され、脱分極パルス中殆ど不活性化を示さず、単一チャネルコンダクタンスが約13pSの全く新たなチャネル電流の記録に成功した。これらの実験結果をJournal of Physiologyに投稿し受理された。
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