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1997 年度 実績報告書

ヒト疾患の解明と治療を目的とした、三量体G蛋白の生理機能の体系的解明

研究課題

研究課題/領域番号 09307002
研究種目

基盤研究(A)

研究機関慶応義塾大学

研究代表者

西本 育夫  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80180652)

研究分担者 笹川 展幸  慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20187107)
キーワードG蛋白 / 生物学的効果 / 受容体 / Gs / ソマトスタチン受容体 / トロンボキサン受容体
研究概要

各種の受容体が、様々なG蛋白に共役して出力する生物学的効果の分子的基盤を明らかにする為、Gs蛋白alphaサブユニットのC端5残基を他のG蛋白alphaのC端5残基に置換した遺伝子を作成し、これをCOS細胞に導入して、共導入した受容体のリガンドで刺激し、アデニール酸シクラーゼ活性を測定する方法を開発確立した。このシステムを用いて、本研究では、1-5型のすべてのソマトスタチン受容体のG蛋白共役特性を明らかにした。その結果、とりわけ新規の所見としては、1型ソマトスタチン受容体がGz蛋白に共役すること(これまでGz蛋白に共役する受容体はm2ムスカリン性アセチルコリン受容体しか知られていない)、3型ソマトスタチン受容体が、Gqには共役せず、代わりにG14、G16に共役すること、そして、最も重要なこととして、5型ソマトスタチン受容体がG12、G13に共役する事実を発見した。これに関連して、5型ソマトスタチン受容体が膵β細胞で細胞死を誘導することを見い出した。現在、同細胞死をG12、G13が介在するか否かを検討中である。更に、動脈硬化に深く関与するトロンボキサン受容体の共役G蛋白同定を試みた。トロンボキサン受容体にはαとβの2つがスプライシングバリアントととして存在している。検討の結果、共通に、Gs、Gi、Gqに共役するが、G12ファミリーに関しては、αがG12、G13の両者、βがG13のみに共役することが明らかになった。この結果、従来観察されてきたトロンボキサンによるG12の活性化はα受容体が行っていることが判明した。現在、トロンボキサン受容体の各アイソフォームがG12を選択的に認識する分子機構を解析中である。その他、計画に従って、アンギオテンシン受容体、ボンベシン/GRP受容体、各種プロスタノイド受容体、更には、IGF-II受容体等のG蛋白共役特性とシグナルを解析中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Eckhardt,F.: "A novel transmembrane semaphorin can bind c-src." Molecular and Cellular Neuroscience. 9. 410-419 (1997)

  • [文献書誌] Hara,K.: "Regulation of eIF-4E BP1 Phosphorylation by mTOR." The Journal of Biological Chemistry. 272. 26457-26463 (1997)

  • [文献書誌] Giambarella,U.: "G protein βγ complex-mediated apoptosis by familial Alzheimer's disease mutant of APP." The EMBO Journal. 16. 4897-4907 (1997)

  • [文献書誌] Giambarella,U.: "Potential CRE suppression by familial Alzheimer's mutants of APP independent of adenylyl cyclase regulation." FEBS Letters. 412. 97-101 (1997)

  • [文献書誌] Komatsuzaki,K.: "A novel system that reports the G-proteins linled to a given receptor : a study of type3 somatostatin receptor." FEBS Letters. 406. 165-170 (1997)

  • [文献書誌] Nishimoto,I.: "Apoptosis in neurodegenerative diseases." Advances in Pharmacology. 41. 337-368 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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