研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
齋藤 健 北海道大学, 医学部, 助教授 (40153811)
齋藤 和雄 北海道大学, 名誉教授 (80000917)
志渡 晃一 北海道大学, 医学部, 助手 (20206098)
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
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研究概要 |
本研究では、ストレスおよびストレス処理の中枢機構を認知、判断、記憶などの情報処理に係わる高次神経機能、加齢または老化との関連において明らかにし、ストレスが疾病発現に関係する免疫応答に如何なる影響を及ぼすかを検討し、近年増加の傾向にある多くのストレス関連疾患の発症機構とその病態解明から、これらの発症予防法の確立を図ろうとするものである。本研究により得られた成果は以下のごとくである. 1)ストレス処理の中枢機構 運動負荷強度をAT(Anaerobic Threshold)を基準として脳波,心電図R-R間隔変動を指標に自律神経系への影響を検討した結果,ATより低い運動強度が,自覚的,身体的に多大な負担をかけることがないことが示された. 精神的ストレス負荷として,騒音とVDT画面輝度の複合環境要因による生体反応を測定した結果,自律神経系の興奮は作業終了30分後まで持続し,騒音レベルに依存することが示された. 2)ストレスと免疫反応 身体的ストレスを短期及び長期連続してラットに負荷し,リンパ球サブセットを指標として生体影響を検討した.その結果,長期連続のストレス負荷はリンパ球サブセット上にもその影響が翌日まで残ることが明らかになった. 白血球中の亜鉛濃度の測定法を確立し,ストレス関連疾患の1つであるインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者の白血球中亜鉛濃度を測定した.その結果,健常人に比較してNIDDM患者では白血球中亜鉛濃度が有意に低下しており,健常人に認められた加齢による白血球中の亜鉛濃度の低下が認められないことが明らかになった.
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