研究課題/領域番号 |
09307009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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研究分担者 |
本間 利夫 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (10282526)
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
野島 美久 群馬大学, 医学部, 助教授 (90201699)
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キーワード | CD4ナイーブT細胞 / CD4メモリーT細胞 / CD27 / CD26 / CD40 / TNF受容体族 / CD70 |
研究概要 |
我々はCD4ナイーブ、CD4メモリーT細胞の鍵となる細胞表面分子のCD27,CD26分子に焦点をあててこれらの分子のヒトT細胞サ-キットでの制御機構を明らかとすることを目的としている。今回はCD27分子の免疫調節制御機構についての我々の成果を報告する。 CD40はTNF受容体族の分子でT細胞依存性B細胞活性化に重要な役割を果たしているが、CD27もCD40分子と同じくTNF受容体族に属する分子であるが、最近B細胞の抗体産生に関与していることを明らかにした。我々はCD27とそのリガンドのCD70及びCD40とそのリガンドのCD154との相互作用のB細胞増殖、イミノグロブリン産生細胞への分化における役割を検討した。CD40とそのリガンドのCD154との相互作用と異なり、CD27シグナルはB細胞増殖へはほとんど関与していないが、イミノグロブリン産生においてはCD40シグナルよりはCD27シグナルが主たる役割を果たしていることを明らかにした。次にCD27とそのリガンドであるCD70分子の自己_…抗原混合反応(AMLR)活性化T細胞の機能発現への役割を検討した。CD27シグナルは自己抗原混合反応によるT細胞活性化及びPWM刺激によるB細胞イミノグロブリン産生を抑制する調節性T細胞の誘導に必須であることが明らかとなった。さらにCD4+CD45RA+ナイーブT細胞上に発現しているCD27はAMLRで活性化された結果、CD4+CD45ROメモリーT細胞上に発現されるCD27リガンドであるCD70とB細胞上のCD27の相互作用を干渉することにより抑制作用を発揮する可能性が考えられた。一方CD8細胞もこの系で抑制作用を誘導するのに必要であるがその抑制作用を発揮するにはCD4細胞と異なりCD27シグナルは関与していないことが明らかとなった。
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