研究課題/領域番号 |
09307014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
荒川 規矩男 福岡大学, 医学部, 教授 (90078783)
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研究分担者 |
野田 慶太 福岡大学, 医学部, 講師 (70289536)
岡部 眞典 福岡大学, 医学部, 講師 (70258531)
浦田 秀則 福岡大学, 医学部, 講師 (30289524)
笹栗 学 福岡大学, 医学部, 講師 (00178675)
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (20131807)
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キーワード | 組織レニンアンジオテンシン系 / キマ-ゼ / アンジオテンシン変換酵素 / 心血管病 / 動脈硬化 / 心不全 / トランスジェニック動物 |
研究概要 |
以下の項目が平成9年度の研究予定であった。 I.ヒトキマ-ゼの病態生理学的役割を明らかにするため動物モデルを作成する。 1.ハムスターを用いた疾患モデルでの検討。 a)キマ-ゼの発現が期待される病態モデルの確立。 b)各モデルの病態を病理及び生化学的に検索し(n=5)妥当性を確認。 2.トランスジェニックモデルの作成 a)分子生物学的手法を用いて全身性及び特異的過剰発現を目指す導入遺伝子の作成。 b)導入遺伝子ホモ接合子の確立。遺伝子注入、ゲノムDNA分析、陽性マウス同定、組織キマ-ゼ発現確認、ホモ接合子の確立 II.心血管病変におけるヒトキマ-ゼの病理生化学的分析 I-1.ハムスターの2KICモデルを作成し組織キマ-ゼ活性を分析したところ、病期、組織別にキマ-ゼの発現が異なることが明らかになり、第17回国際高血圧学会にてその結果を報告する(Nakayama et al.)。従って予定よりもプロジェクトの進行は早い。 I-2.ヒトキマ-ゼのトランスジェニックモデルは陽性マウス同定まで進行し現在組織キマ-ゼ発現確認とホモ接合子の確立を行っている。ヘテロ接合子までの分析では異常発現は明らかではない。今後ホモ接合子の表現型の検索を行い異常発現の有無について結論を得る。進行は予定どうり。 II.動脈硬化症に罹患したヒト大動脈と心筋梗塞で死亡した心筋のACE、キマ-ゼ、カテプシンG等のアンジオテンシンII(AngII)産生酵素の免疫組織染色を行った。動脈硬化のある大動脈では動脈硬化のない大動脈に比しキマ-ゼ活性値と発現が有意に高かった。また、心筋梗塞後の心筋では病日や梗塞部及び非梗塞部等の部位の違いによってAngII産生酵素の内訳が異なり、各心血管疾患の病態の変化に応じてAngII産生酵素も変化することが明らかとなった。この結果は第62回日本循環器学会と第17回国際高血圧学会で採択され発表する(Ihara et al.)。
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