研究概要 |
平成l0年度研究成果 (1) 尿濃縮に関与する輸送体のクローニングその構造の解明 水チャネルのファミリーに共通して保存されたDNA塩基配列からオリゴペプチドプローブを作製し、cDNAライブラリーをスクリーニングした結果、あらたなアイソフォームAQP7,AQP8,AQP9を同定した。AQP7,AQP8は主に性巣に分布し、AQP9は主に末梢白血球に分布することが明らかになった。その生理的役割は今後の課題である。 またAQP/MIPファミリーの通過性の性質と構造上の差よりファミリーが大きく二分されることを明らかにした。このことは水チャネルの発生、起源を考える上で重要な情報である。 (2) 尿濃縮機構に関わる細胞内情報伝達系の解明 AQP2がバソプレッシンによって細胞内の局在を変化させることはよく知られているが、そのメカニズムを検討するため、プロテインキナーゼが尿濃縮関連輸送体の機能調節に関与するかを検討した。A-kinaseに上りAQP2蛋白自身の燐酸化が関与していることを、噛乳類の培養上皮細胞で明らかにした。AQP3の機能についたは、水銀剤の効果を検討した結果、水もグリセロールも同じporeを通ることを明らかにした。
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