研究課題/領域番号 |
09307024
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
小澤 和恵 滋賀医科大学, 医学部, 学長 (00026858)
|
研究分担者 |
森川 茂廣 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助教授 (60220042)
田畑 良宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20155229)
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20213142)
|
キーワード | AKBR / 肝ミトコンドリア / 全身管理 / 生体NMRスペクトロスコピー / エネルギー代謝 |
研究概要 |
基礎的実験では、黄疸ラットでの出血性モデルを作成し、こうした重篤な循環不全状態において、心筋のエネルギーレベルは良好に保たれているにもかかわらず、動脈血中ケトン体比(AKBR)は低下し、全身の代謝失調を反映する良好な指標となることが明らかとなった。また、^<13>C-NMR、^<31>P-NMRを併用し、エンドトキシンショックや肝虚血・再潅流などの病態における肝臓でのアラニンからの糖新生能とリン酸エネルギー代謝の関係を明らかにした。その他、出血性ショック・エンドトキシンショック・心筋梗塞・脳梗塞・てんかん、糖尿病等の病態モデルを作成し、動物実験用MR装置2T CSI Omega Systemを用いて、肝臓・心臓・脳、骨格筋など個別臓器の非侵襲的な代謝評価を行った。特にMR代謝画像の時間分解能を向上させるため超高速撮像法であるEPIを^1Hスペクトロスコピーに応用した高速化に成功し、脳の一時虚血・再潅流時の変化をMR代謝画像として追跡することが可能となった。更にこの手法を^<13>C-NMRに拡張しラット脳梗塞モデルでの脳内グルコース、グルタミン酸の高速代謝画像に成功し報告した。 一方、臨床研究では、皮膚潰瘍を伴う重症の糖尿病では、細胞内pHの上昇を伴う足底筋群のエネルギー代謝の障害が認められ、虚血性潰瘍とは明らかに異なる病態が検出された。心臓では、狭心症の診断、心筋生存の評価にハンドグリップ負荷^<31>P NMRが有効であった。脳研究では、^1H NMRは、脳腫瘍の悪性度の評価、筋緊張性ジストロフィーの病態診断、正常圧水頭症の治療効果予測、双極性障害患者の診断に適用した。また光刺激時の^<31>P NMRは、双極性障害のリチウム治療、断眠療法、電気痙攣療法などの治療効果の予測、治療機序の解析に有用であった。更に、実験装置で開発したEPIを応用した高速MR代謝画像法を臨床装置で実現した。
|