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1999 年度 実績報告書

アデノウイルスベクターを用いた骨疾患遺伝子治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09307032
研究機関東京大学

研究代表者

田中 栄  東京大学, 医学部・付属病院, 助手 (50282661)

研究分担者 織田 弘美  東京大学, 医学部・付属病院, 助教授 (60101698)
中村 耕三  東京大学, 医学部・付属病院, 教授 (60126133)
キーワード破骨細胞 / アデノウイルスベクター / c-Src / Csk
研究概要

破骨細胞の活性化には非レセプター型のチロシンキナーゼであるc-Srcが重要な役割を果たしていることがノックアウトマウスを用いた研究から明らかになっている。c-Srcのキナーゼ活性はそのC末端に存在するチロシン残基(chickではTyr527)のリン酸化、脱リン酸化によって調節されているが、Csk(C-terminus Src family Kinase)はTyr527を特異的にリン酸化し、Srcの活性を負に調節するキナーゼとして同定された。われわれはこれまでにアデノウイルスベクターが破骨細胞に効率よく遺伝子導入が可能であることを報告した(Tanaka et al.J.Bone Mineral Res.13:1714-1720,1998)。今回われわれはCskおよびキナーゼ活性を欠損した変異型Csk遺伝子を組み込んだアデノウイルスを作成し、その破骨細胞に対する効果を調べた。Cskウイルスは破骨細胞におけるc-Srcのキナーゼ活性を抑制するとともにその細胞骨格を変化させ、骨吸収能を抑制した。また頭蓋骨にインターロイキン1を投与すると著明な骨吸収がおこるが、Cskウイルスはその吸収を抑制した。逆に変異型Cskウイルスは破骨細胞におけるc-Srcの活性を促進し、にin vitro,in vivoで骨吸収を促進した。次にアジュバント関節炎ラットにおけるCskウイルスの作用を検討した。アジュバント関節炎ラットでは関節周囲の骨破壊が誘導されるが、Cskウイルスはこの骨破壊を抑制した。以上の結果からCskウイルスを使った遺伝子治療は骨破壊性疾患の有効な治療法となりうると考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takayanagi, H: "Suppression of arthritic bore destraction by adenovirus-mediated csk gene transfer to synoviocytes and osteoclasts"Journal of Clinical Investigation. 104. 137-146 (1999)

  • [文献書誌] Takayama, Y: "Adenovirus-mediated overexpression of C-terminal Src Kinase(Csk) in type I astrocytes with cell spreading and attachment to fibronectin"Journal of Biological Chemistry. 274. 2291-2297 (1999)

  • [文献書誌] Miyazaki, T: "In vitro and vivo suppression of osteoclast function by adenovirus-induced Cst gene"Journal of Bone and Mineral Research. 15. 41-51 (2000)

  • [文献書誌] Naito, A: "Severe osteopetrosis, defective interleukin-1 signalling and lymphnode organogenesis in TRAF6-deficient mice"Genes to Cells. 4. 353-362 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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