研究課題/領域番号 |
09307035
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福田 和彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (90199224)
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研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (20025620)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | ノシセプチン / オピオイド / mitogen-activated protein kinase / phospholipase A_2 / Ca^<2+>チャネル / desensitization / down-regulation |
研究概要 |
本研究では、ノシセプチン受容体とオピオイド受容体の細胞内情報伝達機構とアゴニスト刺激に対する適応現象について検討した。 CHO細胞に発現させたノシセプチン受容体を活性化するとmitogen-activated protein kinase(MAPK)活性が上昇し、カルシウムイオノフォアA23187存在下では、MAPKを介してphospholipase A_2が燐酸化され、アラキドン酸の放出が起きることが明らかになった。また、NG108-15細胞に内因性に発現するノシセプチン受容体を刺激すると、N型Ca^<2+>チャネル活性が抑制されることが明らかになった。 CHO細胞に発現させたμオピオイド受容体をアゴニストで刺激すると、受容体のinternalizaitionとdown-regulation、adenylate cyclaseのsupersensitization、軽度のdesensitzationのような細胞の適応現象が観察された。これらの適応現象は、臨床的に問題となる麻薬に対する耐性、依存性などの基盤となっている可能性がある。また、NG108-15細胞に発現しているδオピオイド受容体を慢性刺激すると、Ca^<2+>チャネル活性の抑制が時間依存性に小さくなる現象すなわちdesensitizationが観察され、この現象はβ adrenergic receptor kinaseが関与することがわかった。さらに、従来δオピオイド受容体の活性化によりCa^<2+>チャネル活性の抑制のみが起きると考えられてきたが、Ca^<2+>チャネル活性の増強も起きることが明らかになった。 従来、ナロキソンは3種のオピオイド受容体(μ、δ、κ)のいずれに対しても拮抗薬として作用すると考えられてきた。クローン化した3種のラットオピオイド受容体を発現させてナロキソンの作用を検討した結果、μ、κオピオイド受容体に対しては部分的なアゴニスト作用をもつことが明らかになった。
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