研究概要 |
初年度は,神経細胞内カルシウムイオン濃度測定を施行するにあたって,機器の購入,設定を行い,神経後根内細胞群の細胞内カルシウム濃度の測定にてランニングを行った.続いて,脊髄スライス標本における細胞内カルシウムイオン濃度測定を施行し,片側坐骨神経結紮による末梢神経損傷ラットを作成し,その脊髄スライスにおけるグルタミン酸還流による細胞内カルシウムイオン濃度の変化を患側および健側にて比較検討を行っている.現在のところ,明らかに神経損傷側の脊髄後角内細胞群は,グルタミン酸負荷により細胞内カルシウムイオン濃度が健側に比較して有意に上昇することが明らかになりつつある. 引き続き,カルシウムイオン濃度上昇の分布の細かい分析を行うとともに,サブスタンスP,グルタミン酸の作用受容体作動薬(AMPA,NMDA,kainate)別の反応差を検討する.
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