研究分担者 |
滝澤 久 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90089425)
永井 淳 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (70252989)
前田 勝正 九州大学, 歯学部, 教授 (00117243)
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部, 教授 (10127847)
石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151)
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研究概要 |
加齢の与える影響についてラットを用いた実験 滝澤は2カ月齢,12カ月齢および16〜18カ月例の雄ウィスタ一系ラットに実験的根尖病変を惹起させ,根尖部の炎症変化について比較検討した.前田は歯槽骨リモデリング現象の変化を検索するために,細胞接着分子(ICAM-1およびLFA-1)の発現について免疫組織学的に解析を行った.泉は生後3〜4カ月および12〜18カ月のラットを用い,上顎臼歯歯髄内の抗原提示細胞を免疫組織化学的に検索した.永田はラット歯肉増殖モデルを用いて,TGF-β,TNF-αのmRNA発現レベルをRT-PCR法で比較し,サイクロスポリンAを55日投与した群では,非投与群に比べてTGF-βで50%,TNF-αで70%の抑制が見られ,歯肉増殖発現におけるアポトーシス抑制が示唆された. 加齢の与える影響についてヒトを対象とした実験 須田はヒト高齢者および若年者の歯髄をcytoflowmeterにかけ細胞周期の測定を行うとともに,アルカリフォスファターゼ活性を調べ,細胞の増殖と分化の加齢変化を検討した.永井は成人性歯周炎患者の炎症歯周組織から得たmRNAを用いて,サイトカイン産生のの加齢による影響を評価している.石川は健康な歯周組織を有する高齢者16名を対象にDEXA法により腰椎の骨密度(BMI)を測定した結果,被験者のBMIは16名中10名がアジア人の平均値以上であり,骨粗鬆の割合が少ないことを認めた.井川はレーザードップラー血流計を用いた歯髄ならびに歯肉の血流測定に関して,適切な測定方法を確立するための実験を行った.西村は生体の老化に伴って歯根膜細胞の走化能が低下することを明らかにし,このメカニズムにはC-fosの発現低下が深く関わっている可能性を示した.柴は高齢者および若年者のヒト歯髄から,細胞寿命および増殖能を検討し,高齢者の細胞は細胞寿命が短く,培養早期から増殖速度と飽和密度が減少していることを明らかにした.
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