研究課題/領域番号 |
09307045
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
上野 和之 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00048307)
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研究分担者 |
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
岩久 正明 新潟大学, 歯学部, 教授 (70013927)
泉 利雄 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40248547)
冨士谷 盛興 広島大学, 歯学部, 講師 (60190055)
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キーワード | 歯髄細胞 / 象牙芽細胞 / 石灰化 / 分化 / 器官培養 / 覆髄 / 硬組織 / 成長因子 |
研究概要 |
歯髄細胞から象牙芽細胞への分化および歯髄の石灰化には、種々の成長因子等が深く関与していると考えられている。このメカニズムを解明するため、ヒト歯髄および実験動物歯髄それぞれの実験系を用いて検索した。 その結果、ヒト歯髄の実験系では、活性化ビタミンD3、TGF-βおよびbFGFがヒト歯髄細胞のオステオカルシン発現に影響を及ぼすことが示された。またヒト歯髄の細胞培養系のみならず、器官培養系をも確立し、単一の培養細胞を用いた系よりもin vivoに近い系で実験することを可能とした。ヒト歯髄神経終末の分布を電顕的に観察することによりDentin bridge形成過程に歯髄神経線維が関与している可能性が、また、歯周炎に罹患したヒト歯髄のmRNA発現検索により歯周炎の進行した歯ほどオステオカルシンやBMP-2,BMP-4の発現強度が高い症例が認められたことから、歯周炎が歯髄石灰化に影響を及ぼす可能性も示唆された。実験動物歯髄の実験系では、歯髄刺激時の遺伝子発現に修復機転の進行を示す所見が認められ、歯髄細胞へのリポーター遺伝子を用いた遺伝子導入の可能性が示された。ラット切歯の器官培養においてb-FGF添加が象牙芽細胞様細胞の配列に影響を与えることから歯根部硬組織形成との関連性が推測された。YAG laserによる窩洞形成後に歯髄が示す反応について免疫組織学的に検索したところ、TUNEL陽性細胞が検出され、従来のバーを用いた窩洞形成よりも有効な可能性が示唆された。レジンの直接覆髄の影響について多色ラベリング法を用いて修復性変化を評価したところ、被蓋硬組織の新生の様相が明瞭に観察可能であることが確認された。石灰化促進機能を有する接着性レジン直接歯髄覆罩剤の開発を目的に、セルフエッチングプライマーに対する石灰化促進剤Ca(OH)_2の併用効果と露髄創傷の経時的治癒態度を検討した。
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