研究分担者 |
藤田 幸弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50192729)
石田 哲也 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80211043)
飯田 順一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90151232)
高野 吉郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90126425)
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10010026)
|
研究概要 |
本研究の目的は、矯正治療前後における歯根膜感覚受容器の機能的および形態的な変化を1.生力学的、2.生理学的、3.免疫組織学的手法を用いて解明することにある。 <生力学> 歯の微小変位を非接触型光ファイバーセンサーを用いて測定した。上顎中切歯の歯冠部唇側面に設定した2カ所のターゲットに対して、光ファイバーセンサーが直交するように設置し、歯冠部に異なる方向から加圧したときの変位をそれぞれ測定した。加圧点の違いにより歯の変位様相が異なり、歯の回転中心が変動する現象がみられた。また、咬合圧センサー(感圧導電ゴムを感圧素子とする、経時的測定可能なセンサー)にも改良を加え、被膜の硬さを変えて測定した。その結果、センサーの硬さの違いに対応して歯は変位し、各咬頭からセンサー対して加わる力は異なっており、各咬頭の機能の違いが示唆された。 <生理学> ラット臼歯における対合歯抜去後の歯根膜機械受容器の応答特性の変化では、機械刺激に対する閾値に変化が見られ、応答パタンにおいてもその割合に変化が見られた。今後は、加齢による生理学的特性の変化を調べ、その結毒を考慮しつつ矯正装置を用いた機械刺激の影響を検討していく予定である。 <免疫組織学> 生後3週齢のマウスの下顎前歯に装着した装置により反対咬合を誘導後2,4,6および8週間後に,さらに装置撤去後2,4,6および8週間後に,抗体PGP9.5を用いてルフィニ神経終末の分布および形態の変化を免疫組織化学的に検討した。反対咬合が誘導されるに従い,上顎前歯歯根膜口蓋側のルフィニ神経終末が変性・消失したが,装置を撤去し正常被蓋に戻った時点では,ルフィニ神経終末が再生した。以上より,咬合系の変化と歯根膜感覚受容器の対応が確認された。
|