研究概要 |
我々は顕著な生物活性を有し,天然には微量にしか存在しない有用天然有機化合物の,大量合成につながる立体選択的かつ効率的構築法の確立を目指して研究を展開し,今日迄に多大の成果をあげて来た.微量生物活性有用天然有機化合物としては,主として海洋生物由来のものをとりあげ平成12年度は海綿由来のマイコチアゾール(抗駆虫作用),ヘノキサゾールA(抗ヘルペスウイルス性),オリアマイド,海産藍藻由来のアンチラトキシン(魚毒性),カルキトキシン(魚毒性),Actinomycete由来のアマミスタチン(ヒト癌細胞生長阻害),細菌由来のスルホバシン(フラボクリスタマイド)類(DNAポリメラーゼαの阻害),トリコデノンC(殺細胞性),そしてサンゴジュ由来のヴィブサノール(抗酸化作用)などについて全合成研究を行い,オリアマイドを除いて他のすべての生物活性天然有機化合物の効率的構築に成功し,所期の目的を達成することができた. 文献:T.Shioiri and Y.Hamada,Efficient Syntheses of Biologically Active Peptides of Aguatic Origin Involving Unusual Amino Acids,Synlett,184-201(2001).
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