研究課題/領域番号 |
09307051
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
米光 宰 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60001038)
|
研究分担者 |
中島 範行 富山県立大学, 工学部, 助教授 (40188959)
上西 潤一 岡山理科大学, 理学部, 教授 (50167285)
|
キーワード | マクロライド / ラクトン化 / 立体選択的反応 / 保護基 / 立体配座 / 計算化学 |
研究概要 |
本研究は新しい反応、官能基保護法などを開発しつつ、複雑な構造を有する生物活性海洋産超微量天然物、例えば抗腫瘍性変型マクロライド・テダノリドなどをコンピュータの活用などの新しい手法を駆使して、効率高く合成するための方法論の開発を行い、次代の創薬への合成化学的基盤の向上に資することを目的に次の2点を中心に行われている。 1.テダノリドの合成研究. テダノリドは18員環変型マクロライドの一つで、ラクトン化が鍵反応と言える。我々は計算化学の支援によりラクトン中間体とその基質となるセコ酸の分子設計を行い、合成に取りかかり、4つのフラグメントを合成、縮合して得られるセコ酸を閉環して18員環ラクトン中間体を得ているが、今回最も重要なC1-C7フラグメントの改良合成をAD-mixによる2重結合の立体選択的ジオール化などにより行程を大巾に短縮した。このジオール化が基質のベンゼン環のインターカレーションにより立体制御される反応機構も明らかにすることができた。更にラクトン体からテダノリドへの変換のためのベンジリデンアセタール保護基の部分還元法確立のためのモデル実験を完全無水条件下に各種還元剤、ルイス酸、プロトン酸の組合せによる検討を行った。 2.新反応、新保護基の開発. いくつかの試みのうち、2重結合の新しい立体制御法の確立とイミデ-ト法を中心とするメトキシベンジル、ジメトキシベンジル型水酸基保護法の開発を行い、テダノリドを始めとする各種マクロライド合成に応用することができた。
|