研究課題/領域番号 |
09307053
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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研究分担者 |
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
小堤 保則 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70205425)
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キーワード | HNK-1糖鎖抗原 / NCAM / 細胞間相互作用 / グルクロン酸転移酵素 |
研究概要 |
本年度の研究により以下の2点が明らかとなった。 1)HNK-1糖鎖抗原の生合成に係わるグルクロン酸転移酵素(GlcAT-PcDNA)を用いてHNK-1糖鎖抗原を安定発現する細胞株を作製し、細胞接着性に対する本糖鎖抗原の関与を解析した。HNK-1糖鎖抗原の発現細胞株と非発現細胞株の二群において、解離分散させた細胞が形成する凝集塊数の経時的変化を計測した(万能倒立顕微鏡を使用)。その結果、HNK-1糖鎖抗原発現株は非発現株と比較して、凝集塊形成が顕著に抑制された。また本糖鎖抗原に対する抗体をこの測定系に添加し、同様な実験を行うと、本糖鎖抗原発現細胞の凝集抑制の阻害がおこった。これらの結果よりHNK-1糖鎖抗原は細胞間相互作用において、抑制的に作用している可能性が示唆された。 2)NCAM分子には7ヵ所のN-結合型糖鎖の付加部位が存在する。これらのうちどの部位にHNK-1糖鎖抗原が発現しているのかについて解析を行った。ラット脳よりNCAM精製し、種々のエンドペプチダーゼで消化を行った後、HPLCを用いてペプチド断片を精製した。得られたペプチド断片をプレートに固相化した後、HNK-1抗体を用いてHNK-1糖鎖抗原を発現しているペプチドを検出し、その部分アミノ酸配列を決定することによりHNK-1糖鎖の付加している部位を決定した(微量高速遠心機を使用)。その結果、ポリシアル酸の付加することの知られている第5番目の免疫グロブリン様ドメインにHNK-1糖鎖抗原が発現していることが明らかとなった。
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