研究課題/領域番号 |
09307055
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
網野 信行 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60028694)
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研究分担者 |
巽 圭太 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00222109)
多田 尚人 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80263242)
日高 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30243231)
柏井 卓 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00252685)
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 妊娠 / 出産後甲状腺炎 / バセドウ病 / 自己免疫性心筋炎 / 自己免疫性肝炎 |
研究概要 |
研究は予定通り順調に進行している。血中抗甲状腺マイクロゾーム抗体測定により潜在性自己免疫性甲状腺炎の診断を可能とし、妊娠初期スクリーニング検査から、抗体陽性者の62%に種々の出産後甲状腺機能異常が発生することを確立した。さらにこの抗体陽性者で高感度法で抗TSH受容体(TSAb)を測定することにより、出産後バセドウ病発症予測が可能となり、バセドウ病の出産後発症は一般婦人の0.54%(出産後婦人の200人に1人)に多発することを明らかにした。出産後婦人の慢性関節リウマチ発症の頻度は一般婦人の0.08%であることが明らかになった。また慢性関節リウマチの出産後発症予測に、妊娠初期におけるリウマチ因子の測定が有用であることも明らかとなった。出産後自己免疫性心筋炎の新しい概念を確立するため、出産後発症した急性心不全患者を検索した。蛍光抗体法による抗心筋抗体、ELISAによる抗ミオシン抗体測定から、出産後自己免疫性心筋炎が存在することを明らかにした。出産後自己免疫性肝炎の概念を確立するため、抗肝臓抗体測定法の確立を試みた。リコンビナントP450 2D6抗原を無細胞系で作成し、Radioligand Assayを確立した。またヒト肝臓特異的アルギナーゼに対する自己抗体測定ELISAを確立した。出産後自己免疫疾患の発症機作として、妊婦の末梢血中リンパ球サブセットの解析により、出産後早期(2〜4カ月)にはTh1を、後期(6〜11カ月)にはTh2を中心にした免疫リバウンドが起こることを明らかにした。
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