研究課題/領域番号 |
09307055
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
網野 信行 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60028694)
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研究分担者 |
巽 圭太 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00222109)
多田 尚人 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80263242)
日高 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30243231)
柏井 卓 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00252685)
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 自己免疫疾患 / 妊娠 / 出産後甲状腺炎 / バセドウ病 / 自己免疫性心筋炎 / 自己免疫性肝炎 / 慢性関節リウマチ / 自己免疫性下垂体炎 |
研究概要 |
我々の従来の研究から、潜在性自己免疫性甲状腺炎が出産後増悪し、臨床的に顕性化して5つのタイプの甲状腺機能異常症が発生することが確立されており、すでにCecil,Harrison等の国際的教科書にも一つの疾患単位として記載されるに至っている。バセドウ病の発症予測は、妊娠初期の高感度甲状腺刺激自己抗体測定により確実に出来ることも明らかにしている。今回の研究では、この甲状腺疾患をモデルとして捉え、他臓器における自己免疫疾患の潜在病態と出産後の発症につき新たに検索を加えた。全身性自己免疫疾患の代表例である慢性関節リウマチの出産後発症頻度と予測につき検索を加え、妊娠初期のリウマチ因子測定により出産後慢性関節リウマチの発症が20%の確立で予測できることが明らかとなった。また、慢性関節リウマチの出産後発症が女性患者で他の時期に比べ約6倍の高頻度で出現することも明らかにされた。また、新しい自己免疫の概念として出産後自己免疫性心筋炎を発見することが出来、その診断のために心臓に対する自己抗体測定法の検索を加えた。蛍光抗体法でスクリーニングを行うと予想外の高頻度で抗体陽性が見られ、さらに特異的な抗ミオシン抗体及び抗トロポミオシン抗体のELISA法の開発を行った。特に、抗トロポミオシン抗体では高頻度に抗体出現が見られ、自己免疫性心筋炎が決して珍しいものではないことが確立された。また出産後肝機能異常を示す症例につき検索を加え、出産後自己免疫性肝炎の新しい概念の提唱を行った。自己免疫性肝炎診断のために肝臓特異的な新たな自己抗体測定法を開発した。この自己抗体測定法により、従来考えられていた以上に自己免疫性肝炎の頻度が高いことが明らかになりつつある。潜在性自己免疫疾患から出産後発病するものには、少なくとも約20種類の疾患があるものと考えられ、これらを全てまとめて出産後自己免疫症候群として大きな新しい症候群として提唱するに至った。その発生機作も出産後免疫リバウンドにより発生することを、妊娠出産後のリンパ球subsetや抗体変動及びサイトカイ産生の変化により明らかにすることが出来た。また一部の症例で、出産後増悪を予防することも示された。出産後母体に関する健康管理は従来より医療空白といわれている如く、産後女性のケアシステムは国際的に見ても殆ど見られない。そこで、本研究の社会医学への展開として産後のトータルヘルスケアシステムを新しく提唱し、21世紀における予防医学に大きく寄与するべく社会医療の面でも提言を行った。
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