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1997 年度 実績報告書

皮膚にやさしい衣服のための基礎研究-生体との接触界面における繊維の表面解析-

研究課題

研究課題/領域番号 09308001
研究種目

基盤研究(A)

研究機関華頂短期大学

研究代表者

内田 恵美子  華頂短期大学, 生活学科, 教授 (10086019)

キーワードグラフト重合 / 表面改質 / 親水性モノマー / ポリエステル
研究概要

光グラフト重合法で素材自体が持っている優れた力学特性はそのままにして、生体と接触する素材表面のみを改質し、肌触り、擦れた肌摩擦抵抗の軽減、抗菌性、消臭性などの新しい機能を持った繊維の開発をするための基礎研究として、グラフト重合が困難とされてきたポリエステルに、種々目的に合った親水性モノマーを光グラフと重合した。
用いたモノマーは、最も快適な衣服内温度とされている32に下限臨界溶解温度(LCST)をもつn-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、両親媒性を付与できるポリスチレンフォン酸(PSS)、表面に抗菌性能を付与するために銅との配位結合を可能にするメタクリル酸(MAAc)である。いずれのモノマーにおいても、適量の過ヨウ素酸ナトリウムを添加することによって、脱気操作をすることなしにグラフト重合できた。重合率はモノマー濃度が高いほど、UV照射時間が長いほど高く、MAAcにおいては、重合液へのベンジルアルコールの添加がグラフト鎖長を短くし、グラフト密度を高めるのに有効であることが明らかとなった。
さらに、これらのグラフト化フィルムの乾燥時および湿潤時の表面構造を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観測した。その結果、グラフト鎖の長さ(重合度)やグラフト密度により、そのグラフト鎖構造は異なり、グラフト鎖長やグラフト密度が高くなるにつれて、グラフト鎖はブラッシュ構造からクラスター構造へ移行することが明らかとなった。また、湿潤状態では、これらのグラフト鎖は非常にフレッキシブルであり、わずかな力(2.5nN)で変形するが、力を取り除くとすぐにもとの状態に回復することが観察された。今後、湿潤時の温度、pHなど、グラフト表面の環境を変えて、表面観察する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Emiko UCHIDA,Yshito IKADA: "Topography of Polymer Chains Grafted on a Polymer Surface Underwater" Macromolecules. Vol.30(18). 5464-5469 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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