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2000 年度 実績報告書

皮膚にやさしい衣服のための基礎研究-生体との接触界面における繊維の表面分析

研究課題

研究課題/領域番号 09308001
研究機関華頂短期大学

研究代表者

内田 恵美子  華頂短期大学, 生活学科, 教授 (10086019)

キーワード表面改質 / ポリエチレンイミン / 抗菌性 / 皮膚刺激性
研究概要

これまでに繊維材料のもつ力学的特性を生かし、さらに新たな機能をもたせる表面改質を行なってきた。本年度は簡便な手法での抗菌性をもつ表面改質を行ない、その表面の物理化学的特性に加えて、皮膚との接触界面特性を評価した。
すなわち、合成繊維であるポリエステルやナイロン、さらには天然繊維である綿布に抗菌加工を施し、その抗菌性と安全性を評価した。具体的には、これまで、化粧品やシャンプーにも用いられている皮膚刺激性も少ないポリエチレンイミンを繊維に吸着させ、熱処理により固定化し、抗菌性をJIS L1902に則る定量試験(統一試験法)と定性試験(ハロー法)によって評価した。その結果、この加工布は繊維製品衛生加工協議会の定めるガイドラインによる、抗菌性および制菌性を保持していることがわかった。この加工布の洗濯耐久性をJIS試験に基づいて行なったところ、10回の家庭洗濯でも良好な抗菌性を保持していた。ハロー試験では、まったくハローが認められず、菌と加工布の直接接触によってのみ抗菌性を示すことが明らかとなった。このことは、皮膚の常在菌叢のバランスを崩すことなく、菌との共生を保ちながら、抗菌効果を示すことが可能であることを示唆している。この加工布の安全性に関しては、ヒト細胞を使ったヒト皮膚に近い構造をもつ三次元培養皮膚モデルを使って、皮膚刺激性テストを行なった。その結果、加工剤、加工布ともに陰性であり、安全性は高いことが確認された。なお、この加工による力学特性の変化は少なく、摩擦係数、接触角はやや低下し、衣服材料として優れた特性を示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Richey: "Surface Modification of Polyethylene Balloon Catheters for Local Drug Delivery"Biomaterials. Vol.21. 1057-1065 (2000)

  • [文献書誌] 内田恵美子: "グラフト重合によるポリエステル布への抗菌性付与"日本家政学会誌. Vol.51. 287-293 (2000)

  • [文献書誌] 渡辺雄祐: "関節軟骨最表面層の構造と潤滑"日本臨床バイオメカニクス学会誌. Vol.21. 439-444 (2000)

  • [文献書誌] P.Kumar: "Role of upper most superficial surface layer of articular cartilage in lubrication mechanism of joints."J.Anatomy. (In press).

  • [文献書誌] 内田恵美子: "ポリエチレンイミン吸着繊維の抗菌性"(発表予定).

  • [文献書誌] 内田恵美子: "界面ハンドブック(第16章3節3抗菌表面処理の項目)"エヌ・ティー・エス (東京). 900 (2001)

  • [文献書誌] Emiko Uchida: "Encyclopedia (Zeta potential of polymer surface)"Marcel Dekker (New York)(In press).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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