研究課題/領域番号 |
09308008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 建昭 筑波大学, 数学系, 教授 (80087436)
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研究分担者 |
元吉 文男 電子技術総合研究所, 室長
福井 哲夫 武庫川女子大学, 環境情報学部, 助教授 (70218890)
鈴木 正幸 岩手大学, 工学部, 助教授 (20143365)
加古 富志雄 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90152610)
野田 松太郎 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036402)
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キーワード | 近似代数 / 近似的代数計算 / 誤差解析 / 数式処理 / 数式処理システム / 有効浮動小数 |
研究概要 |
本年度は、A)有効浮動小数演算システムの整備と、B)近似代数の諸演算の誤差解析と安定化、について研究を推進した。 A)について、浮動小数での代数的計算では、本来は0になるべき係数が微小係数として残ることがある。このような項を実際的に検出するために、係数部の有効桁数の分布を求め、大部分の係数が十分精度があるのに一部の係数の有効桁がほとんどない場合、それらの項を切り捨てる機能を組み込んだ(加古、佐々木)。また、白柳の安定化理論を実現するため、浮動小数点計算に基づくシステムを作成した(甲斐、野田、院生)。 B)について、1)多変数多項式の終結式計算に対し、部分終結式算法、Bezout行列式の小行列式展開法、Gaussの消去法、効率的Gauss消去法、多項式補間法、のそれぞれの桁落ち誤差を比較した(佐々木、院生)。2)多変数多項式のHensel構成に対し、展開点が特異点の近傍の場合の桁落ち誤差の解析をした(佐々木、院生)。3)係数部が誤差を含む1変数多項式の根の存在範囲の上限をSmithの定理を用いて実際的に評価する算式を与えた(佐々木、院生)。4)多変数多項式の近似因数分解の算法を改善し、改善された算法が多項式時間の計算量を持つことを証明した(佐々木、院生)。5)誤差の入った関数を有理関数近似する方法を考案した(甲斐、野田)。6)数式処理を応用した実射影平面上N本直線配置問題を研究し、幾何学的解析に必要な任意のN直線アレンジメントの多角形分布をカウントするアルゴリズムを提案した(福井、関口)。7)Javaで数式処理システムを作成中であるが、多倍長の高速超越関数計算も実現した(元吉)。
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