研究分担者 |
井上 信幸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (60023719)
森川 惇二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70192375)
二瓶 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010973)
小川 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90144170)
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研究概要 |
本計画の研究目的は,内部導体系による閉じた定常磁気配位の内部に単一粒子群のみから構成されるプラズマ(例えば,純電子プラズマ・純イオンプラズマ・純陽電子プラズマ等)や,或いは電気的中性条件の破られた高密度プラズマを閉じ込めることである. 一般に非中性プラズマは強い自己電場を有しており,その自己電場を適当な磁場配位と組み合わせ,かつ実効的な角運動量を与えることにより,プラズマ内部に強い回転流圧を引き起こしうる可能性を持つ.また我々は,理論的に,この流圧とプラズマ圧がバランスしうることを示しており,本計画によりその実験的検証を進めている.研究計画第二年度に得られた成果は,以下の通りである. (1) 実験では,プラズマと装置壁との間の距離を保持し,かつプラズマを電気的に孤立させるために,閉じた磁気配位(セパラトリックス配位)を用いて非中性プラズマ閉じ込め研究を行っている.そのセパラトリックス近傍において純電子プラズマの電位分布を測定した結果,電位勾配厚が電子ラーマー半径に比して10倍以上のブロードな形状となっていることを明らかにした.さらに,1.この電位勾配がセパラトリックス内側へと位置している,2.このシフトがラジオ周波数電磁波の印加に対しても依存している結果も得ている.これらの知見は非中性プラズマのプラズマエッジが,閉じ込め磁場の磁気配位形状により決定されていないことを示唆している. (2) 純電子プラズマの閉じ込め効率に対するポロイダル磁場依存性について,より高いプラズマ電位(〜密度)がより強いポロイダル磁場により達成される結果を得た.この結果はトーラス磁気井戸による荷電粒子の絶対捕獲理論と符合しているように見うけられるが,現在更なる研究を進めている.
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