| 研究分担者 |
二瓶 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010973)
比村 治彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30311632)
小川 雄一 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 教授 (90144170)
龍野 智哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60313011)
森川 惇二 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助手 (70192375)
|
|---|
| 研究概要 |
本年度は,Proto-RT実験装置を用いた実験により,本研究計画で目標としていた新たな非中性プラズマ閉じ込め方法の確立に係る物理的な原理を実証するデータを得,また理論モデル化を進めた。(1)非中性プラズマのトーラス型閉じ込め平衡について,プラズマポテンシャルの径方向分布の計測を赤道面において行い,その分布が概ね上に凸の放物型になることを見い出した。このことは,プラズマの径方向密度が概ね一定であることを示唆している。また,このポテンシャルの分布は,いわゆるシャフラノフシフトをしていない。これらの結果を更に追求するために,次年度においては,トーラス電子プラズマの等電位面の位置をポテンシャルの詳細な2次元(r-z面)測定を通じて明らかにする計画である。また,高周波電場によって生成した弱電離トーラスプラズマに対して電子を入射し,このプラズマを電気的に非中性化する実験を試みた。プラズマの非中性化に関しては,初期的な結果として自己電場の発生を見ているが,測定の精度を向上させる必要がある。今後はプラズマの回転の確認,電場構造の解析を進める計画である。(2)高周波電場によって磁場ヌル点の電子運動にカオスを生じさせ,その無衝突散逸を含む電気伝導度を計測した。理論的に予測していたカオスによる無衝突電気抵抗と定量的に近い値の電気抵抗が得られ,またこの原理による高効率プラズマ生成が確認された。(3)非中性化されたプラズマのシヤー流回転の効果を含むプラズマ平衡の理論解析および非エルミート線形系の安定性と動的特性の理論解析を行った。高β平衡を得るための高速プラズマ流をショックを生成しないで発生できるように最適化した。また,シヤー流のミキシング効果によって,キンクモードなどの不安定性が安定化されることを示した。
|
