研究課題/領域番号 |
09308012
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北村 正晴 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005422)
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研究分担者 |
橋爪 秀利 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80198663)
高橋 信 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00243098)
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キーワード | 大規模機械システム / ライフサイクル健全性 / 状態監視 / マルチモーダルデータベース / モバイルエージェント / センサー移動機構 |
研究概要 |
本年度は以下のような研究・開発を行った。 a.テストベンチヘの複数模擬異常組み込み 既設の熱水力テストベンチを対象として、監視対象の異常状態を模擬するという意味で、漏洩・ポンプ吸い込み圧異常、ヒータ異常等の模擬異常を生起可能となるようにシステムの改良を行い、これらの異常が模擬できることを確認した。 b.振動場遠隔監視用レーザー振動計の可動化による監視範囲の拡大 監視範囲の拡大のために、既設の異常計装用のロボットマニピュレータを平行移動させるための機構(リニアゲージ)を設計・制作し、その動作を確認した。これにより、横幅のある熱水力テストベンチの全ての機器が監視の対象とすることができた。 c.センサー着脱機構に関する検討 監視のための移動計装としては、これまでレーザ振動計のみを利用していたが、監視対象を多様な側面から監視するために、赤外線放射温度計を導入し非接触での温度計測を実現しているが、このために状況に応じて複数のセンサーを取り替えらえる必要がある。そのため、機械式の着脱機構を設計・製作し、センサーの交換が可能であることを確認した。 ○予兆監視、保守情報提供システムとしての総合確認と評価 保守情報の効率的な管理のためのマルチモーダルデータベースを作成し、独自に開発した類似度マッチングアルゴリズムにより、異常データが観測された場合、過去に類似の事例が存在しないかどうかを高速で検索するシステムを構築しその有効性を確認した。更に、分散環境下における計測にモバイルエージェントの技術を導入し、ネットワークに対する負荷が少なく、ネットワーク障害時にも継続して計測を行うことが出来る枠組みを構築し、実際に熱水力テストベンチにおいてその有効性を確認した。 以上の研究・開発を通じて、大規模機械システムのライフサイクル全体にわたる状態監視・予知保全技術の基礎となる技術の、基本的成立性、有用性を確認することが出来たと考える。
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