研究課題/領域番号 |
09308018
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高村 秀一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40023254)
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研究分担者 |
叶 民友 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10270985)
大野 哲靖 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60203890)
上杉 喜彦 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90213339)
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キーワード | 核融合プラズマ / エルゴディックダイバータ / 磁気島 / 統計的磁場構造 / 回転ヘリカル摂動磁場 / ティアリング・モード / 磁気レイノルズ数 / トカマク |
研究概要 |
・高温トカマクプラズマにおける回転ヘリカル摂動磁場の浸透基礎過程 前年度までは小型トカマク装置CSTN-IVにおいて、回転ヘリカル摂動磁場とやや低温のトカマクプラズマとの相互作用を調べてきた。主要な結論は、磁気島形成に伴うプラズマ電流の再配分によってプラズマ内部の摂動磁場が大きく変形を受けることを明らかにした点である。今年度はやや高温のプラズマを生成することができ、磁場強度も3倍ほど大きなトカマク装置HYBOTK-IIにおいて遮蔽電流による摂動磁場の減衰に注目して展開を行った。 HYBTOK-II装置への局所ヘリカル巻線の巻き方を再吟味し、m/n=0/1などの低次モードを大幅に削減し、これに伴う自己インダクタンスの低減によりヘリカル電源の負担を軽減した。 プラズマのポロイダル回転と摂動磁場の回転速度が近いときには前回と同様プラズマ電流の再配分に伴う径方向磁場の大きな増幅が見られたが、両回転速度の差が大きいときには径方向磁場の空間的減衰が強く、遮蔽電流が有効に流れていると推定される。この摂動磁場の減衰が主共鳴面よりかなり外側から生じているのでm/n=6/1だけでなくm/n=7/1,8/1の側帯波も減衰に関与しているのではないかと考え、線形解析での検討を行いつつある。 ・回転ヘリカル摂動磁場とトカマクプラズマとの相互作用 磁気島が形成されている状況において、電子温度径方向分布の時間発展を詳細に検討すると、磁気島形成に伴う磁気面の歪みが原因で電子温度が変調されている様子が分かる。 回転ヘリカル摂動磁場の印加に伴ってわずかながら電子温度が上昇している領域がある。これが遮蔽電流による散逸に由来するのか、アルベン共鳴によるシアアルベン波の励起とその吸収に基づくものかあるいはそれ以外の原因か検討している。アルベン共鳴と思われる磁場揺動の検出を行っているが、位相関係含めポロイダル断面上の2次元計測により明らかになると考えている。
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