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1998 年度 実績報告書

前駆体蛋白質のミトコンドリア外膜への標的化と外膜透過機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09308022
研究機関九州大学

研究代表者

三原 勝芳  九州大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40029963)

研究分担者 小宮 徹  九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40304802)
阪口 雅郎  九州大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30205736)
キーワードミトコンドリア / 蛋白質輸送 / 膜透過 / 全駆体蛋白質 / シャペロン
研究概要

ミトコンドリアを構成する蛋白質の殆どは細胞質で前駆体として合成された後にミトコンドリア外膜と内膜に独立して存在する透過チャネルを輸送されてそれぞれの区画に定着する。本研究は、ミトコンドリアへの輸送の初期過程で働く細胞質因子MSFと外膜のNSF受容体の構造と機能を解析し、さらにそれらによる前駆体標的化の調節、並びに標的化された前駆体の外膜透過の機構を明らかにすることを目的としている。
本年度の研究によって以下の事柄を明らかにした。
(外膜受容体因子の同定)外膜成分に対する抗体を用いた実験によって37kDaの外膜蛋白質OM37が前駆体輸送における受容体として機能することを示し、om37のcDNAクローニング、大腸菌での発現と抗体の作成、抗体を用いた他の輸送因子との相互作用の解析などを行い、哺乳類ミトコンドリアに於ける新規な輸送因子("TOM38"と命名)であることを明らかにした(前田ら;投稿準備中)。その他、外膜受容体TOM70、Metaxin、および外膜の輸送チャネルの主要成分であるTOM40のクローニングとそれらの性質の解析を行った。
(外膜受容体と前駆体の相互作用解析)ミトコンドリア外膜受容体(Tom70、Tom20)の細胞質領域の組み替え体およびTom22、Tim23の膜外領域をGSTまたはMBPとの融合蛋白と前駆体との結合をショ糖密度勾配遠心法などによって解析した。そして、外膜の内外に配置された輸送因子の酸性ドメインは輸送経路の下流にあるものほど前駆体への親和力が高いことを証明し、これが駆動力となって前駆体の外膜透過が起ることを明らかにした。さらに、それぞれの輸送因子によってミトコンドリア内局在を異にする前駆体の選別が行われることを明らかにした。
(内膜輸送系の解析)ラットミトコンドリアの内膜輸送因子rTim17、rTim23、rTim44をクローニングし、その性質を解析した。さらに内膜透過の素過程の解析を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Ota: "Assessment of topogenic functons of anticipated transmembrane segments of human Band3." J.Biol.Chem.273. 28286-28291 (1998)

  • [文献書誌] N.NIshihara: "Characterization of the initial steps of preprotein import into rat liver mitoplasts." J.Biochem.124. 824-834 (1998)

  • [文献書誌] N.Nakamura: "Identification of a novel anterograde transport s ignal on Emp24p." Mol.Biol.Cell. 9. 3493-3503 (1998)

  • [文献書誌] K.Oda: "Forced transmembrane orientation of hydrophilic polypeptide seg-ments in multispanning membrane proteins." Molecular Cell. 2. 495-503 (1998)

  • [文献書誌] T.Komiya: "Interaction of mitochondrial targeting signals with acidic receptor domains along the protein import pathway:Evidence for the “acid chain"hypothesis." EMBO J.17. 3886-3898 (1998)

  • [文献書誌] Y.Kida: "Membrane toplogy of NADPH-cytochrome P450 reductase on the endo-plasmic reticulum." Arch.Biochem.Biophys.351. 175-179 (1998)

  • [文献書誌] N.Ishihara: "Identification of the protein import components of the rat mito-chondrial inner menbrane,rTIM17,rTIM23 and rTIM44." J.Biochem.123. 722-732 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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