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1998 年度 実績報告書

Ash/Grb2下流のシグナル伝達の構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09308023
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

稲垣 冬彦  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (70011757)

研究分担者 寺澤 宏明  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (10300956)
小椋 賢治  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (50270682)
キーワードNMR / Grb2 / 緩和時間 / リンカー / フレキシビリティー / Vav / SH3 / シス-トランス異性
研究概要

全重水素化Grb2を調製し、主鎖のNMRシグナルの帰属を行うとともに、15N核の緩和時間の解析より、リンカー部分の運動性を明らかにした。全重水素化Grb2を用いて三重共鳴三次元NMRの測定を行ない、リンカー部分も含め95%以上の残基について主鎖アミドグループ(1H,15N)の帰属を確立した。この帰属に従い、15N核の緩和時間及びNOEの測定を行い、Grb2の運動性について調べた結果、SH2とcSH3の間のリンカーの運動性は高いことが明らかとなった。Grb2のフレキシブルな構造は標的タンパク質の認識に有利に働いていると考えられる。Vav nSH3はGrb2 cSH3と結合することが知られており,SH3ドメイン同士の相互作用として唯一知られている例である。本研究ではVav nSH3とGrb2 cSH3の結合様式解明のための第一歩としてVav nSH3の溶液中での立体構造の解析を行った。Vavは二つの構造異性体を持つこと、これらはPRRよりも4残基ほどC末端側に位置するGly32とPro33のあいだのイミド結合のシス-トランス異性に関連し、主成分はトランス型を取ることがわかった。実際、Vav nSH3のPro33をGlyに置換した変異体を作製したところ、NMRシグナルは1種類のみ観測された。これより、天然型のVav nSH3の溶液中で観測された2種類の異性体はPro33のシス-トランス異性に由来することが確認できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ichikawa,S.: "Solution Structure of Derf 2,the major mite allergen for atopic diseases." J.Biol.Chem.273. 356-360 (1998)

  • [文献書誌] Mizoguchi,T.: "The Structure of the aggrigate form of bacteriochiorophyII c showing the Q,absorption above 740nm as determined by the ring-current effects on ^1H and ^<12>C nuclei and by ^1H-^1H Intermolecular NOE correlations." Photochem.Photobiol.67. 239-248 (1998)

  • [文献書誌] Abe,Y.: "Disulfide bond structure of human epidermal growth factor receptor.J.Biol.Chem." J.Biol.Chem.273. 11150-11157 (1998)

  • [文献書誌] Akhter,S.: "Clusters of basic amino acids in midkine:Roles in neurite-promoting activity and plasminogen activator-enhancing activity." J.Biochem.123. 1127-1136 (1998)

  • [文献書誌] Ogura,K.: "Solution structure of human acidic fibroblast growth factor and interaction with heparin-derived hexasaccharide." J.Biomol.NMR. 13. 11-24 (1999)

  • [文献書誌] 稲垣冬彦: "SH2、SH3の構造生物学. (蛋白質 核酸 酵素増刊号「構造生物学のフロンティア」)" 共立出版(株), 13(630) (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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