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1999 年度 実績報告書

Ash/Grb2 下流のシグナル伝達の構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09308023
研究機関北海道大学

研究代表者

稲垣 冬彦  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70011757)

研究分担者 小椋 賢治  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50270682)
キーワードGrb2 / ドメイン工学 / 好中球活性酸素発生系 / TPR motif / 蛋白質スプライシング反応 / SH3 / p67^<phox> / p47^<phox> / Rac
研究概要

Grb2についてドメイン工学を適用した.Grb2二つのSH3について、nSH3とcSH3の交換を行った.in vitro assayの結果は、通常のGrb2と同じ標的蛋白質にj結合していることを示した.この事は、Grb2は柔軟な構造を取り、nSH3とcSH3を交換しても、機能は変わらないことを示している(in preparation).
好中球活性酸素発生系に関わる細胞質因子は種々のドメイン構造を取る.特にp67^<phox>に含まれるTPR motifとRacとの結合が活性酸素発生に不可欠であることが示されている.そこで、TPR motifの変異体を作製し、既に報告されている、ホスフォターゼに含まれるTPR motifと比較してアミノ酸残基の役割を検討した(J.Biol.Chem.1999).活性酸素発生には、TPR motifとRacの結合の他に、p47^<phox>のタンデムに並んだSH3ドメインがp22^<phox>のプロリンに富んだ領域に結合することが必要である.そこで、p67^<phox>のTPR motifとp47^<phox>のダンデムSH3ドメインを蛋白質スプライシング反応を用いて結合し、新しいシグナル伝達蛋白質を作製した.この蛋白質の活性をin vitro の再構成系を用いて測定したところ、極めて高い活性酸素発生能を持つことがわかった.これより、活性酸素発生のための最小単位を作製することができた.ドメイン工学としても興味ある結果を得た(in preparation).今後は、本研究で確立された蛋白質スプライシング反応を用いてドメイン工学の技術を確立し、新規のシグナル伝達蛋白質をデザインする事を目的とする.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ogura, K.: "Solution structure of human acidic fibroblast growth factor and interaction with heparin-derived hexaccharide"J.Biomol.NMR. 13. 11-24 (1999)

  • [文献書誌] Tsuchiya, S.: "Solution structure of the SH2 domain of Grb2/Ash complexed with EGF receptor-derived phosphotyrosine-containing peptide"J.Biochem.. 125. 1151-1159 (1999)

  • [文献書誌] Ogura, K.: "Solution structure of the SH2 domain of Grb2 complexed with the Shc-derived phosphotyrosine-containing peptide"J.Mol.Biol.. 289. 439-445 (1999)

  • [文献書誌] Koga, H.: "Tetratricopeptide repeat (TPR) motifs of p67 (phox) participate in interaction with the the small GTPase Rac and activation of the phagocyte NADPH oxidase"J.Biol.Chem.. 274. 25051-25060 (1999)

  • [文献書誌] 湯沢聡: "細胞工学"Grb2の柔軟な構造に見る巧みな結合様式. 8 (1999)

  • [文献書誌] 稲垣冬彦: "遺伝子産物(タンパク質)の形を観る"SH2,SH3,によるシグナルの認識機構. 9 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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