研究課題
基盤研究(A)
本研究は、細胞外マトリックスの生物機能とくに抗-細胞接着作用の解明を目的とし、遺伝子改変個体及び、細胞を利用して解析するものである。3年間の成果は以下にまとめられる。1)遺伝子組換え動物の作成とその解析・テネイシンCノックアウト純系マウスの作成(日下部、坂倉)と、同マウスにおいて自然発生乳癌の低下(吉田、坂倉)、創傷治癒過程の遅延と再生力の低下(日下部)、行動及び神経伝達物質の異常(日下部)を明らかにした。・PTPζ遺伝子ノックインマウスを作成し、グリアのみでなくニューロンにも発現が認められることを明らかにした(野田)。・Col4A6のノックアウトマウスの作成とアルポート症候群様病変の発生を認めたが、平滑筋腫を伴う形質変化は認められなかった(二宮)。・プロテオグリカン(岡山、木全)、ニューログリカン(大平)、ラミニン(北川)については実験進行中である。2)組換え細胞を使った抗-接着機能の解明と活性部位の固定・抗体を利用した検索により、テネイシンCの抗-接着機能ドメインの同定はまだ終了していないが細胞増殖機能ドメインはEGF様配列(日下部)と選択的スプライシング部位(吉田)に同定できた。・プロテオグリカンの抗-接着レセプターとしてアネキシンVI(木全)とシンデカン2(岡山)、リガンドとしてラミニンα4鎖(北川)を同定した。・神経細胞の培養系でPTPζ(野田)とニューログリカン(大平)が細胞移動活性を示した。
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