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1997 年度 実績報告書

大脳高次運動野と前頭連合野における随意運動発現の時間的制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 09308032
研究種目

基盤研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

丹治 順  東北大学, 医学部, 教授 (10001885)

研究分担者 虫明 元  東北大学, 医学部, 助教授 (80219849)
キーワード複数運動の手順 / 大脳皮質 / 補足運動野 / 一次運動野 / ニューロン活動 / 運動の順序制御 / 霊長動物 / 前補足運動野
研究概要

大脳高次運動野の中で,まず補足眼野に関する研究を行った.第一段階として皮質内微小電流刺激法を,特定の課題遂行中のサルに適用することで,機能特性を調べた.8方向へのサッカードを指示に従って行う遅延眼球運動課題を行うようにサルを訓練した.固視期間に与えた微小刺激では,刺激点に固有の固定的ベクトルを持ったサッカードが誘発されたが,遅延期間に於ける刺激では,指示されたターゲットへ向かうべく準備されていたサッカードが誘発される事が判った.この誘発サッカードの特性は前頭眼野とは異なり,補足眼野の機能特性を示唆する.次に細胞活動特性の解析を行った,補足眼野の細胞を,3種類の課題,すなわち1)サッカード単独,2)手と眼球の協調運動,3)手の到達運動をそれぞれ行っている際に解析した.補足眼野の細胞活動歯それらの3種類に特異的に発現することが判明し,それは異なる運動の制御ではなく,動作の区別を行う事に対応するという,補足眼野の特性を見出したことになる.
次の段階として,運動前野腹側部の細胞活動特性を調べた.固視位置を変えた際の,複数ターゲットへの到達運動時の活動解析から,この部位の細胞活動は視覚座標から運動座標への座標変換過程に関与することが明らかとなった.これらの高次運動野研究を進めると同時に前頭前野の細胞活動を高度の時系列制御に即して解析するための研究を開始し,すでに実験システムの作成と霊長類の行動訓練を完成させた.この研究を来年度に引き続き行い成果を得る準備が整った.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Mushiake H, Tanatsugu Y, Tanji J.: "Neuronal activity in the ventral part of premotor cortex during target-reach movement is modulated by direction of gaze." Journal of Neurophysiology. 78. 567-571 (1997)

  • [文献書誌] Inase M, Li B-M, Tanji J.: "Dopaminergic modulation of neuronal activity in the monkey putamen through D1 and D2 receptors during a delayed go/nago task" Experimental Brain Research. 117. 207-218 (1997)

  • [文献書誌] Tanji J, Shima K, Mushiake H.: "Brain and Mind" M.Ito, 223-232 (1997)

  • [文献書誌] 丹治 順: "医学書院" 岩本 誠,寺本 明,清水輝夫, 134- (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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