研究課題/領域番号 |
09309002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
森 義治 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (30124176)
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研究分担者 |
栄 武二 九州大学, 工学部, 助教授 (60162278)
田村 圭介 大阪大学, 核物理センター, 助手 (30212046)
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助手 (00144387)
野田 章 京都大学, 化学研究所, 教授 (20114605)
田辺 徹美 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20013394)
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キーワード | 高透磁率金属薄膜磁性体 / 高加速電場勾配 / 加速空胴 / インピーダンスチューナー / 空間電荷効果の低減 |
研究概要 |
本年度に行った研究の概要と成果は以下のとうりである。 1 加速空胴 高透磁率金属薄膜磁性体(FINEMET,METGLAS)を陽子加速器の加速空胴へ応用するために、まず、磁性体の諸特性の測定を行った。その結果、こうした薄膜型鉄系金属磁性体磁性体はその飽和磁束密度が高い(〜2T)ことから、大きな高周波電場下においてもその特性が変化しないという特長を有することが判明した。これは加速空胴を実現する上で最も重要な高加速電場勾配の発生の点で極めて優れた性質である。磁性体測定の結果、これまでのファライト等の磁性体に比し、10倍以上の大きな高周波電界下においても、Q値の低下等の特性の劣化はまったくみられなかった。これらの実験結果より、外径60cm、内径25cm、厚さ2.5cmの磁性体コア一枚を用いたテスト加速空胴を開発し、これを用いて得られる加速電場勾配の最大限界を明らかにするための研究を行った。その結果、この空胴で5.5kVの加速電圧の発生を達成した。これは、長さ当たりに換算すると、220kV/mという高加速電場勾配に相当する。これは、これまでのフェライトを用いた場合の加速電場勾配(10〜20kV/m)のほぼ10倍である。以上の基礎開発研究により、従来のものの10倍の高加速電場勾配を得ることが可能な加速空胴の実現の目途がたった。さらに、バリアバケツ型高周波空胴もこの磁性体のQ値が比較的低いという特性を利用することだ可能となることを実験的に明らかにした。またこの加速空胴はビームからみたインピーダンスが極めて低いという特性を有するので、結合バンチ等のビーム不安定性を回避できることもシミュレーション計算により明らかとなった。 インピーダンスチューナー 金属磁性体の高透磁率特性を利用して、ビームのもつ空間電荷効果による発散力を低減させるインピーダンスチューナーの設計を行った。これに基づき、テスト機を製作し高エネルギー加速器研究機構の陽子シンクロトロン内に設置しビーム実験を行った。その結果、ほぼ所定の性能どうりビーム空間電荷効果を低減させることが可能なことを明らかにした。
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