研究課題/領域番号 |
09309005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塚谷 恒雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (90027459)
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研究分担者 |
片山 幸士 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30026512)
中原 紘之 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026567)
溝端 佐登史 京都大学, 経済研究所, 助教授 (30239264)
山本 政儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
福嶌 義宏 名古屋大学, 水圏大気科学研究所, 教授 (00026402)
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キーワード | カスピ海 / アラル海 / シルダリア / 進化経済学 / 中央アジア / ICP-MS / 水文気象 / ウラン |
研究概要 |
本研究の目的は、ユーラシアの要衡の地、中央アジアの基礎データを整え、明るい未来を構築する理論解析を行なうことである。そのため平成11年度は、以下の研究を実施した。 1 基礎データの収集とデータベース化:水文データは各共和国水理気象局が1955年から発行したものが各共和国水理気象局や科学アカデミーで保存されている。ただし手書きや印刷不鮮明なものが大半である。本年度はこれらを解読してシルダリア流域上流部フェルガナ盆地の水文気象データのデータベースを作成した。これとともに、ウズベキスタン共和国水理気象局の協力を得て、1990年度と1997年度の水質分析結果をデータベース化した。現在その信頼性を評価中である。 2 キジルクム砂漠とフェルガナ盆地の環境影響評価:両地域の重金属と環境放射線の分析と共に、ゼラフシャン流域を含めた地球化学的質量分析をICP-MSを用いて行った。ゼラフシャン流域の環境試料質量分析結果をもとに現地研究者と共同討議した結果、上流部での水銀・アンチモン鉱床の影響が顕著であること、下流部でのウラン進出が顕著であること、アム・ブハラ運河が水質悪化を食い止めている事などが明らかとなった。ICP-MS分析では米国EPA-methodやウィスコンシン大学分析法などを検討し、同一資料を放射化分析法と比較した結果、常に安定した分析が実施できるようになった。 3 経済開発と自然環境との調和のための政策評価:ソ連解体を経済の進化過程の1つとみなし、技術革新の停滞がいかにして発生したかを軍事部門や情報部門を例として進化経済モデルで記述した。環境問題と砂漠化が進む中央アジアでの市場経済移行過程での経済発展の道筋を、中小企業を対象に技術革新の進化経済モデルを提示した。
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