研究課題/領域番号 |
09309011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
高久 洋 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50101267)
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研究分担者 |
高井 和幸 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40260848)
山本 直樹 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00094053)
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キーワード | 環状DNA / RNAキメラオリゴマー / アンチセンスDNA / センスRNA / RNaseH活性 / レトロウイルス / 感染細胞 / 耐分解酵素性 |
研究概要 |
臨床実験で使用されているホスホロチオエ-トオリゴマーは本来のアンチセンス機構とは異なる作用をすることが明らかとなり、本研究ではこの問題点を解決すべく新しい概念、すなわちウイルスが感染した細胞内でその機能をはじめて発揮するオリゴヌクレオチドを考案した。このオリゴマーはダンベル型DNA/RNAキメラオリゴマーでRNaseH酵素により、RNA分子が切断された後に、遊離DNAアンチセンスオリゴマーが標的となるウイルスmRNAに結合してウイルスタンパク質の合成を阻害する。 はじめに環状ダンベルDNA/RNAキメラオリゴマーの構築を試みた。標的遺伝子をウイルスmRNAのタンパク質合成翻訳部位AUGを含み、これに相補的なアンチセンスDNAとセンスRNAを含むニックダンベルDNA/RNAキメラオリゴマーを自動合成機を用いて容易に化学合成することができた。このニックオリゴマーをT4DNAリガーゼでライゲーションを試みたがニック部位の塩基配列によりそのライゲーションの効率に影響することがわかった。ここで得られたオリゴマーが細胞外で二重鎖部分が開裂し、オープンサークルとなれば分解酵素で分解されたり、細胞膜透過性が低下することから、二重鎖の安定性を検討したところ、二重鎖のみのDNA/RNA、ニックオリゴマーよりも高い融解温度、またゲル電気泳動でも安定な構造を形成していることがわかった。さらに、3′-エキソヌクレアーゼ(スネ-クベノムホスホジエステラーゼ)と10%牛血清中での耐分解酵素性を検討したところ、期待通り他のオリゴマーよりも安定であることが明らかとなり、新しいタイプのアンチセンスオリゴマーとなりうることがわかった。
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