研究課題/領域番号 |
09354001
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三村 昌泰 広島大学, 理学部, 教授 (50068128)
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研究分担者 |
坂元 国望 広島大学, 理学部, 助教授 (40243547)
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
太田 隆夫 広島大学, 理学部, 教授 (50127990)
木村 正人 広島大学, 理学部, 講師 (70263358)
奥薗 透 広島大学, 理学部, 講師 (10314725)
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キーワード | 樹枝状成長パターン / 特異極限解析 / 相分離現象 / 自由境界問題 / 複雑液体 / 界面ダイナミクス / 融解・凝固現象の数値解析 / 特異摂動法 |
研究概要 |
研究課題を1.モデリング、2.理論、3.数値解析の3点から得られた成果を順を追って述べる。 1.融解、凝固の成長過程において複雑な樹枝状パターンが観察される。このようなパターンはバクテリアコロニー、自己触媒反応系、微少重力場での燃焼系等自然科学の広い分野で普遍的に現われることを数理モデル解析から理論的に明らかにした(三村)。複雑液体を記述する物質系に現われる相分離はメゾスケールで停止し、そこにおいて多様な空間構造が形成される。その機構解析に数理モデルを提出し、界面ダイナミクス法により、その構造の定量的理論を構成した(太田)。液滴分散系の2相流の界面ダイナミクスを取り上げ、そのモデルシミュレーション解析から、液滴の合体・分裂過程を明らかにした(奥薗)。 2.融解、凝固成長に現われる相分離ダイナミクスを捉えるためには界面の運動方程式を確率モデルの特異極限解析の視点から考察し、確率反応拡散方程式の対する基礎理論を確立した(舟木)。反応拡散系に対する界面方程式の漸近展開を行い、パターン形式の遷移過程として現われる階層的な空間構造を特異摂動法から明らかにした(坂元)。結晶成長を異なる視点から接近するために、その類似現象として、微生物の増殖系を考え、その数理モデルの基礎理論を非線形半群理論から構築した(大春)。 3.混じり合わない2相粘性流体のダイナミクスを記述するヘレーショウモデルの数値アルゴリズムを提案し、その誤差解析を行った。更に、符号不距離関数を用いたレベルセット法から自由境界問題の数値解法の開発を行った(木村)。上記の(三村)が提案したいくつかの成長系に対して、それらに現われるパターンの普遍性を数値シミュレーションから確証するために、3次元数値計算結果の動画システムを提案した。いくつかの結果はビデオに記録されている(草野、上山)。 以上の成果は報告書に詳しく述べられている。
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