研究課題/領域番号 |
09354003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
池田 博一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10132680)
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研究分担者 |
斉藤 豊 セイコー, インスツルメンツ(株)・半導体開発部, 課長
奥野 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90281451)
福永 力 東京都立大学, 教養部, 助教授 (00189961)
田島 宏康 東京大学, 理学部, 助手 (80222107)
松田 武 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10029564)
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キーワード | 高エネルギー物理学 / 飛跡検出器 / シリコン検出器 / CMOS前置増幅器 / CMOS・VLSI / 高速熱窒化法 / 放射線損傷 / ラド・ハード |
研究概要 |
高エネルギー物理学における将来の高輝度衝突型加速器実験への応用を目的として、シリコン・ストリップまたはピクセル検出器をそれらの読み出し回路とともに同一シリコン・ウェハ-上に作り込むための基礎技術の開発を作った。本年度は読み出し回路として、低消費電力及び高集積化の観点から、CMOS回路に特定してその放射線損傷に関する特性評価および大規模集積回路の試作開発を行った。耐放射線性についてはシリコン・ウェハ-上に作りこまれた1.2ミクロンおよび0.8ミクロン・プロセスのテスト・トランジスターをコバルト照射することによってガンマー線による特性劣化を調査した。これらテスト・トランジスターには高速熱窒化法による素子も含まれており、今後の開発の方向を決める上で重要な役割を果たした。即ち高速熱窒化法によれば放射線損傷による特性の劣化を格段に改善できることは確認できたが、同時に素子の標準特性の、高速熱窒化法によらない場合との、あわせ込みに未だ難点があり、設計の再利用を困難なものとしている。そこで高速熱窒化法に先立って実用規模のCMOS全置増幅器アレー回路の設計を0.8ミクロン・プロセスによって行うこととし、これによって相当程度の耐放射線性を確保するとともに、製造上の品質の安定性を担保することとした。すでにこの集積回路については評価用のサンプルを入手し、予備的な試験において、動作確認及び線形性、信号対雑音比等の性能確認を終了している。これらの試験において性能の確認されたサンプルを用いて、さらに、耐放射線特性の評価を行うことを予定している。
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