研究課題
本研究課題最後の年に当たり、新しく作成した中性子回折装置を用いて種々の試料での単結晶構造解析を試みた。また、ガイド管のスーパーミラー化に伴い縦横集光のSi422モノクロメータを開発し調整した。波長は1.57Åで散乱角は156°まで取れるようになった。装置が完全に動きだしたのは2000年11月であるが、それまでにも標準試料での評価実験を行なった。最終的には十分満足いける結果となった。以下が今年度構造研究を行なった試料と内容である。1.NaCl標準試料での構造解析。2.四角酸(C_4O_4D_2)の相転移と構造解析。3.5-methyl-9hydroxyphenalenone(MeHPLN:C_<14>O_2H_<14>)の構造解析。4.MnF_2の結晶構造と磁気構造の解析5.Pt-Mn合金の磁気散漫散乱の測定6 YMn_2O_5の結晶構造と長周期磁気構造の解析7 CuGeO_3の散漫散乱の測定8.酸化物誘電体リラクサーの散漫散乱の測定得られた結果のいくつかは国際会議と物理学会で報告された。プロシーディングは現在印刷中である。また、この装置に関して研究会を開催した。報告書は物性研により印刷中である。来年度には、この装置は東京大学物性研究所に移管され、全国共同利用に開放される予定である。多くの研究者がこの装置を利用して他では出来ない実験が実施される物と思われる。
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