研究概要 |
本研究計画の目的はは下記の2つである. (1)太陽風から地球磁気圏へのエネルギー流入過程の研究に頻繁に使用される地磁気指数、AE指数とDst指数を準実時間で算出する方法を確立し,これを公表して,太陽地球系物理学,超高層物理学,地球電磁気学の研究に貢献する. (2)今までに蓄積されたデータを用いて超高層大気現象の性質を究め,それに基づいて,準実時間AE,Dst指数および関連データを用いた現況把握・予測の方法を確立し,磁気嵐変動予測の基礎を作る. 平成9年度は,上記目的達成のため下記の順序で計画を進めた. 1.地磁気1分値データ取得・伝送方式の確立: (1)3軸フラックスゲート磁力計とデータ収集装置を組み合わせたシステムにより,INTERMAGNETの定めた方式で地磁気1分値を取得・収録し,インターネットにより自動的に伝送する方式の開発を進めた. (2)衛星へデータを送る送信機を購入し,「ひまわり」衛星経由データ伝送方式を開発した. (3)峰山観測所で,新しく開発された磁力計の中低緯度Dst観測所での使用適性のテストを行った. 2.地磁気データベースの構築 : 既設のワークステーションに,ディスクアレイ装置とCD-ROMチェンジャーを付加し,地磁気1分値,1秒値データを収録して,データベース化をすすめた.これらを用いて磁気嵐予測のために基礎的研究を行った. 3.QL(Quick Look)AE,Dst指数算出方式の改善 現時点で取得可能なデータを用いて行っている QL AE,QL Dst両指数のテスト算出を続行し,算出上の問題点を分析して方式の改善をはかった.
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