研究課題/領域番号 |
09354007
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北村 雅夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
|
研究分担者 |
細川 好則 堀場製作所, 科学計測開発X線技術部, 部長
下林 典正 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70235688)
平島 崇男 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90181156)
|
キーワード | X線分析顕微鏡 / 多結晶体 / X線回折法 / 鉱物組織 |
研究概要 |
本研究の目的は、岩石や鉱物の組織解析のためのX線分析顕微鏡の開発を行うことである。この装置は、X線回折法、X線顕微法、走査型X線蛍光分析を同一試料について同一装置で研究するためのものである。装置開発の基本となるのは、市販されている走査型X線分析装置をベースにして、X線回折法、X線顕微法が同一試料の同一の場所について行えるようにすることである。本研究期間内では、(a)走査型X線分析装置の装着するための、結晶方位の可変な特殊なゴニオメーターの作成を行う。ゴニオメーターの駆動はステッピング・モーターを用いコンピューター制御する。(b)岩石中の個々の結晶の方位での固体検出器による回折データーを測定し、コンピューターで配向性のデーター処理を行う。また、X線顕微法(Berg-Barrett法)による各鉱物内の組織観察を行う。(c)同一試料に関する蛍光X線分析を行う。(d)上の(b)(c)で得られたデーターをすべてコンピューター処理し、岩石や鉱物の組織を記述する。(e)以上の研究を通して装置の完成度を高める。また、得られた組織のデーターから研究対象とした岩石や鉱物の組織の成因について考察する、などを行う計画である。 初年度である平成9年度には、(1)既存のX線分析用の装置を購入して、X線の光学系を本研究の目的に合わせるように改造を行った。(2)試料方位を可変にする装置を開発した。この装置は試料の傾斜を行うステッピングモーターをコンピューターで制御する。そのためのソフトの開発も行った。(3)(1)で購入した装置に、(2)で開発した試料方位可変装置を装着し、機械的なシステムの基本を完成させた。(4)X線回折法、X線顕微法、X線蛍光分析法の各々について、その分析精度、コンピューターソフトなどをチェックを行った。(5)幾つかの試料について組織観察を開始し、装置の性能や改良を行ってきている。以上のように、初年度に計画した項目の多くを達成した。
|