研究概要 |
昨年度に開発した小型加速器と超高真空散乱槽を結ぶビームトランスポート系の設計・組み立てを行った。更に、磁場型高分解能スペクトロメーターを散乱槽に接続して超小型高分解能RBS装置を完成させた。この装置の性能評価を行い、設計通り原子レベルの分解能を有することを確認した。この装置を用いて、Si(001)上のGeのエピタキシャル成長の初期過程を観察し、IML以下の成長初期にGeとSiが相互拡散していることを明確に確認することが出来た。(Phys.Rev.Lettに投稿中) 更にこれらの研究と平行して、4MVヴァンデグラーフ加速器に接続して使用している従来型の高分解能RBS装置を用いて、ダイアモンド様炭素膜の直接フッ素化過程の観察(Carbon,36(1998)1399)や、極低エネルギーイオン注入によるシリコン表面の非晶質化過程の観察(Nucl.Instr and Meth.B 148(1999)284)、SI(001)に吸着した水素原子のイオン衝撃脱離の研究(論文準備中)をおこなった。 これらの研究とともに、(株)神戸製鋼所と共同で超小型高分解能RBS装置の商品化のための開発研究を行い、更に小型化した装置の開発に成功した。(The 15th International Conference on the Application of Accelerators in Research and Industry, Nov 4-7,1998, Denton,USAにて招待講演で発表)この装置は「HRBS500」という商品名で既に新聞発表を行い、販売が開始されている。
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