研究課題/領域番号 |
09355009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安岡 康一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00272675)
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研究分担者 |
井深 真治 東京工業大学, 工学部, 助手 (70262277)
石井 彰三 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016655)
深尾 正 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016545)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | パワーデバイス / デバイスシミュレータ / 高速ターンオン / 高速駆動方式 / キャリア挙動 / パルスパワー |
研究概要 |
従来のパワーデバイスは、ターンオフ特性を重視した性能向上が追求されてきたが、新たな用途であるパルスパワー応用では高速ターンオン特性が第一に重要である。本研究ではこうした新分野でのパワーデバイス応用を開拓するため、パワーデバイスの極限性能はどのようなものかの工学的側面、何がその性能を支配しているのかの物理学的側面の両方から特性評価を可能とするシステムを開発した。平成10年度は、初年度に製作した評価回路と駆動電源を使用して実際にパワーデバイスを試験評価し、デバイスシミュレータから得られる結果と比較しながら、デバイスの限界性能を定量的に評価する手法を確立した。以下に成果を項目別に示す。 (1) 極限性能評価システムの動作検証では、超低インダクタンス評価回路と高速測定系を組み合わせ、半導体デバイスの極限性能評価システムを構成した。特に試験評価回路の静電容量値を可変とすることで、パワーデバイスの非破壊試験を可能とした。この結果、SIサイリスタが最大電流変化率di/dt=1.1×10^<11>(A/s)までの高速ターンオン特性を有していることを初めて検証することができた。 (2) デバイスシミュレータによる理論解析では、大容量SIサイリスタの実用モデルを構築し、パワーデバイスのターンオン特性を決定づける要因を、特にキャリアの移動に着目して検討し、続いて外部回路条件が及ぼす影響を明らかにした。 (3) パワーデバイスの高速駆動法の検討では、パワーデバイスをnsで高速駆動するため高速MOSFETを使用した高速ゲート駆動回路を開発した。この結果、従来型のゲート駆動回路では引き出せなかったターンオン特性を得ることに成功し、充電電圧5kVでターンオン時間35nsを達成することができた。さらに繰り返し周波数2kHzで安定に動作できることも確認した。
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