超低電力・動画用・反射型フルカラー液晶ディスプレイの開発

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09355011
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 内田 龍男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60091659)
• 研究分担者: 川上 徹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90282102) ; 宮下 哲哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10239402) ; 関 秀廣 八戸工業大学, 工学部, 教授 (30134018) ; 福田 一郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10064445)
• キーワード: 液晶ディスプレイ / 反射型液晶ディスプレイ / カラー液晶ディスプレイ / R-OCB / STN / ECB / ゲスト・ホスト

研究概要

次世代の高度携帯情報末端のキーデバイスとして超低電力・動画用・反射型カラー液晶ディスプレイの開発を目的として次のような研究を行った。
(1)反射型カラー液晶ディスプレイの表示モードとしてλ/4型ゲスト・ホスト式、垂直配向型ECB方式、STN方式、R-OCB方式ついてその表示特性を理論と実験によって解析した。その結果、いずれもカラー写真に近い明るいディスプレイが実現できることを明らかにした。特に、垂直配向型ECB方式とSTN方式ではダイレクトマトリクス方式を用いることができるため製造コストの点でメリットがある。
(2)R-OCB方式をはじめとする複屈折表示方式を反射型ディスプレイに適用する場合は、2重像を無くすために反射板を液晶セル内に設ける必要があり、そのために偏光子を1枚しか用いることができない。従って、黒レベルにおいて液晶層とそれを光学補償する位相差フィルムのリターデーシヨンが、方向によらず常に1/4波長条件を満足させるように設計する必要がある。本研究では、2枚の位相差フィルムを用いてこれを満足させる条件を明らかにし、透過型並の高いコントラスを実現した。
R-OCB方式に上記の位相差フィルムの最適設計条件を適用し、50度程度の広い視野角で、紙と同程度の明るさと50:1程度の高いコントラスト、数msec程度の高速応答性が得られることを実証した。

研究成果

• [文献書誌] H.Seki, M.Itoh, T, Uchida: "New Reflective Display in ECB Mode" Proceedings of SPIE. Vol.3318. 465-470 (1998)
• [文献書誌] H.Seki, N.Sugiura, M.Shimizu, T.Uchida: "A New Reflective Color Guest-Hostdisplay with Scattering Effect" Molecular Crystal and Liquid Crystals. Vol.304. 125-131 (1997)
• [文献書誌] H.Seki, M.Itoh, T.Uchida: "A New Reflective Display in ECB Mode" Abstracts of European Conference on Liquid Crystal. 68- (1997)
• [文献書誌] M.Itoh, H.Seki, T.Uchida: "Optical Property of Reflective Electrically Controlled Birefringence Mode with Front Scattering Film" Proceeding of the Fourth International Display Workshops. 301-304 (1997)
• [文献書誌] M.Kimura, K.Kuriyama, N.Yanadori, Y.Yamoto, Y.Matsuki, N.Bessho, I.Fukuda: "Novel High-Prretilt Alignment Material for the Enhanced STN-LCDs" Proceedings of the Fourth International Display Workshops. 367-370 (1997)
• [文献書誌] 坂井栄治, 中村英樹, 吉田 恵, 鵜飼育弘, 福田一郎: "一枚偏光板による512色カラー反射型TET-LCD" 映像情報メディア学会誌. Vol.51,No.7. 1061-1069 (1997)